旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
日帰り温泉・スーパー銭湯・町の銭湯・共同浴場・サウナ・健康ランド・野湯など守備範囲は広めです。
行動範囲は神奈川を中心とした1都3県と静岡、山梨です。

熊本県

日帰り温泉・スーパー銭湯のオープン&閉店情報(首都圏)
* 竜泉寺の湯 草加谷塚店 (埼玉県草加市) -2016/9/10オープン
* おふろcafe bivouac (埼玉県熊谷市) -2016/9/10オープン
* おふろcafe 白寿の湯 (埼玉県神川町) -2016/10/1リニューアルオープン
* ソプラティコ横浜関内 (横浜市中区) -2016/10/1オープン
* グリーンプラザ新宿 (東京都新宿区) -2016/12/25閉店
* 佐倉天然温泉 澄流(千葉県佐倉市) -2016/12/18オープン
* のだ温泉ほのか(千葉県野田市) -2016/12/20オープン
* グランパーク・イン横浜(横浜市西区) -2016/12/22オープン
* 海辺の湯 久里浜店(横須賀市久里浜) -2017/1/11オープン
* Gensen Cafe(湯河原町) -2017/2/24オープン
* 西武秩父駅前温泉 祭の湯(埼玉県秩父市) -2017/4/24オープン予定

黒川温泉神明館(熊本県南小国町黒川温泉)

黒川温泉神明館黒川温泉に着いたときにはすっかり日が暮れてしまった。近年あまりにも有名になりすぎた感があるが、この温泉街のどこに魅力があるのだろうか。周囲を山に囲まれた小さな温泉街は、夜が更けると通りには人影もなくしーんと静まり返っていた。温泉旅館の前はかろうじて灯りがともっているものの、細い路地が多く、寂しい気持ちにさせられる。黒川温泉に夜の娯楽はない。あくまでも旅館で過ごす街であるようだ。

団体客頼みの温泉地は数多くあるが、もともと黒川温泉も例外ではなかった。客は温泉よりも宴会が目的で、不景気になると客足はピタリと途絶えた。それなのに神明館だけは客の数が減ることはなかったという。そして神明館の主人がリーダーとなり、温泉街の立て直し図った。手入れされた庭木を雑木に植え替え、自然の森をつくった。また、すべての宿に露天風呂をつくった。温泉旅館の根本である温泉と露天風呂を重視し、やすらぎの空間演出を行った。…という話は後日知ったこと。黒川温泉では多くの旅館で日帰り入浴をやっており、たまたま訪れたのが神明館であった。

神明館も日本秘湯を守る会の会員宿。玄関先にはそれを示す提灯がぶら下がっていた。日帰り入浴の場合、玄関先で料金を支払い、外の通路から浴室へ行く。調理場の脇を通り、囲炉裏のある休憩所を通り、そこから先は石畳の遊歩道となっている。まずは神明館の名物ともいえる「洞窟風呂」へ。

黒川温泉神明館(穴風呂)主人がノミと金づちで裏庭の石山を掘り始めて3年。いまの形に落ち着くまで10年の歳月を要したという。女性専用洞窟風呂と混浴洞窟風呂(穴湯)があり、長さは全部で30m。どちらも内部の構造は同じで「9」の字のように、途中で枝分かれするが、ぐるりと1周できるようになっている。手掘りのため岩肌は粗いが、高さも幅も十分にあり、ところどころにはゆったりと腰掛けられるスペースもある。洞窟の出入口は低く小さくつくってあるので、内部には湯気がこもっており、スチームサウナのような雰囲気。わずかな照明が内部をぼんやりとしたオレンジ色に照らしている。混浴洞窟風呂の唯一難点を挙げるなら、脱衣スペースが通路と兼用であること。狭いうえに籠の数も少ない。そして外の通路から着替えが見えてしまうことも。とはいえ期待していた洞窟風呂だったが、本格的なつくりに納得。(写真は脱衣スペースから洞窟側を。湯気がすごくてその奥は撮れず)

黒川温泉神明館(岩戸の湯)そして露天風呂「岩戸の湯」。脱衣所こそ男女別だが、こちらも混浴。広い岩風呂で少し浅めの湯船。奥のほうには手彫りと思われる仏像が鎮座している。温泉街を流れる田の原川に面しているが、植え込みが視界を遮っている。神明館の主人によると、
「やすらぎや癒しの時代にあっては露天風呂から眺められる眺望は不要だと断言する。そうではなくて、周りをさえぎりお湯に集中できる造りにすべきだというのだ。」(松田忠徳『温泉教授の温泉ゼミナール』より)
温泉教授の松田氏もこの言葉に「天才的な発想と言うべきだろう」と述べているが、考え方は人それぞれだと思う。とはいえ、木々の隙間から対岸の建物や通行人がちらちらと見えるので、植え込みがないのもおかしいし、これ以上にあるのも不自然なのかも。鉄筋コンクリートの太い柱が何本も立っているのは構造上仕方がないのだろうが、ここまでこだわった中での人工構造物はちょっと残念。無色透明のお湯が掛け流しなのはよいが、ちょっと温いのも残念。

日帰り入浴客は「洞窟風呂」「岩戸の湯」のみだが、宿泊客にはほかに大浴場、家族風呂、女性専用露天風呂がある。ほかの旅館も露天風呂にこだわっているところが多い。このところの黒川温泉の人気によりどの旅館も予約が取りにくいとの噂もあるが、できれば宿泊して湯めぐりを楽しみたい。

山の宿神明館
源泉/黒川温泉(ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉)
住所/熊本県阿蘇郡南小国町黒川温泉 [地図
電話/0967-44-0916
交通/国道442号線より黒川温泉街へ
料金/500円
時間/8:30〜21:00


黒川温泉では1,200円で3ヶ所の温泉に入浴できる「入浴手形」を販売している。
入浴時間8:30〜21:00。有効期限は6ヶ月間。(⇒詳細
黒川温泉オフィシャルページ(黒川温泉観光旅館協同組合)



黒川温泉穴湯黒川温泉地蔵湯

黒川温泉の共同浴場
穴湯と地蔵湯の2軒があり、どちらも8:00〜19:00。100円。
(19時以降は黒川住民に限る)


参考:松田忠徳『温泉教授の温泉ゼミナール』光文社文庫、2001年

田の原温泉の共同浴場(熊本県南小国町満願寺)

田の原温泉田の原温泉は黒川温泉より西へ数キロの位置にある。集落の中央に筑後川の源流だという田の原川が流れ、川沿いに温泉旅館が3軒。国道442号線からは逸れている上、集落内の道は狭く、寂しい農村の風景。温泉は鎌倉時代に発見され、以来湯治場として利用されていたという。

この田の原温泉は「男はつらいよ〜寅次郎わが道をゆく」(1978年8月公開・シリーズ21作目)の舞台となった。公共浴場のあたりでポスターを見かけたが、だからといって観光客を呼び込もうという雰囲気もない。ちなみにロケは大朗館という旅館で行われたらしい。

田の原温泉共同浴場田の原温泉共同浴場

川に面して共同浴場が1軒だけあったが、定休日だったのか時間外だったのか、入口のドアは開いていたのに中は真っ暗だった。脱衣所と湯船の仕切りはなく、がらーんとした空間にコンクリート製の湯船があった。南小国町役場のホームページによると、明治以前のものだという。男湯と女湯の間仕切壁はなんだか低いような気もするが、とにかくシンプルなつくりだ。いくつかある注意書きには「午後10時からのご入浴はご遠慮ください」。訪れたのは18時前だったので、定休日だったということか。

田の原温泉共同浴場
源泉/田の原温泉(ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉)
住所/熊本県阿蘇郡南小国町満願寺
電話/0967-42-1111(南小国町役場)
交通/JR豊肥本線阿蘇駅よりバス45分(産交バス杖立温泉行き)、
     「ゆうステーション」で乗り換え25分(産交バス黒川温泉行き)
     「田の原」停下車すぐ
料金/100円(地区外の入浴客)
時間/不明

南小国町観光協会
「男はつらいよ-寅さんの世界-」(松竹)

満願寺温泉館(熊本県南小国町満願寺)

満願寺満願寺温泉のある熊本県南小国町は九州の中央部、熊本県の東北部にあり、大分県と接する県境の町。日田と阿蘇、日田と竹田を結ぶ日田往還が町内を走るが、満願寺温泉があるのはそこから逸れた道。車通りも人通りも少ない。源泉は志津川という小川の河原から湧き、地区には旅館、民宿、ペンションが各1軒ずつあるだけの小さな温泉場。満願寺というのはお寺の名前で、立護山満願寺は真言宗の寺。文永11年(1274)の元寇の役に際し、日本国を守護するために毘沙門天を本尊とし、鎌倉幕府の執権・北条時頼の弟で鎮西奉行の北条時定が建立したという。そして満願寺の隣にあるのが満願寺温泉館である。

満願寺温泉館温泉館と名前は立派だが、地元の志津地区自治会が管理・運営する共同浴場である。入浴料は入口脇の料金箱に入れる仕組み。防犯カメラを設置しているのが悲しいが、無人なのをいいことにタダ風呂する観光客もいるのかも。こんなのどかな町にまでカメラの監視があるなんて、これも現代社会の縮図というべきか。

満願寺温泉館入口の脇には簡単なつくりの休憩所があるが、かつてはここで料金徴収をしていたのであろうか。そしてすぐ左手に「男湯」の看板があったので、早速入ってみる。2帖ほどの脱衣所には数人分の棚があるだけ。浴室も2帖ほどの広さで、淡い場のスペースなど半帖分も無い。カラン1つと小さな鏡があるだけで、いたってシンプルなつくり。湯船には無色透明のお湯があふれ、室内には湯気が立ち込めている。素っ気ないタイル張りの浴室で、個人専用もしくは家族風呂かと思わせるほどに狭い。

湯上りに館内の張り紙を眺めていると、奥にもう1つ浴室があることを知った。そちらはもっと大きくてカランが3つ、湯船も2つもあったとのこと。熱めの湯船は2帖ほどの大きさ、ぬるめの湯船は4帖ほどの大きさ。ゆったりとしたこちらの浴室を利用する人のほうが多いだろうと思う。

NHKの番組「ふだん着の温泉」によると、地元の志津地区は79世帯約250人の集落で、古くから住む世帯のほとんどは家にお風呂がないのだという。夕暮れ時とあって地元の方々がひっきりなしにやって来るが、当然皆さんは顔見知りどうし。お風呂が井戸端会議の場であるようだ。いいなぁ、こんな生活も。

満願寺温泉館
源泉/満願寺温泉(単純温泉)
住所/熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺 [地図]
電話/0967-42-1111(南小国町役場)
交通/JR豊肥本線阿蘇駅よりバス40分「満願寺入口」停下車
料金/300円
時間/6:00〜22:00


満願寺温泉-露天風呂満願寺温泉館の並びには河原に面して公共の露天風呂がある。背後には温泉旅館があり、一応の屋根があるので目隠しにはなっているものの、それ以外からはぐるりと丸見え状態。川の対岸には普通の民家が軒を連ね、普通の日常風景が広がっている。地域の洗い場としての利用が主であるのか、鍋や食器を洗いにくる主婦の姿も見られた。そう考えるとここで入浴するのにはかなりの勇気が必要だ。

南小国町観光協会
満願寺温泉オフィシャルサイト
NHK「ふだん着の温泉」(満願寺温泉・2006年10月22日放送)

垂玉温泉山口旅館(熊本県南阿蘇村河陽)

垂玉温泉山口旅館地獄温泉清風荘より緩やかなカーブを下って行くと、垂玉温泉山口旅館がある。こちらも一軒宿の温泉で、「日本秘湯を守る会」の会員宿。創業は江戸末期だという。明治40年(1907)には与謝野鉄幹、平野万理、北原白秋、吉井勇、木下杢太郎の一行が九州の旅の途中で山口旅館に宿泊。その記録は「五足の靴」として発表された。 

「垂玉は未だですか。近かございます、あの山の壊るたところですと女は教えた。青い山の剥げて土あらわなるが見られる。山の道は近くして遠い。遠い路を登り尽くすと見よい滝が三つ四つ落ちて谷を流れる。」
        −中略−
「くるりと道が廻ると、忽然として山塞が顕れた、あれは何だ、あれが湯ですと小い女がぶっきらぼうにいう。後に滝の音面白き山を負い、右に切っ立ての岡を控え、左の谷川を流し、前はからりと明るく群山を見下し、遥に有明の海が水平線に光る。高く堅固な石垣の具合、黒く厳しい山門の様子、古めいた家の作り、辺の要害といい如何見ても城郭である。天が下を震わせた昔の豪族の本陣らしいところに一味の優しさを加えた趣がある。これが垂玉の湯である、名もいいが、実に大に気に入った。(以下省略)」(「五足の靴」より)

垂玉温泉山口旅館-全景与謝野鉄幹らが訪れた当時と比較すれば、建物こそ新しくなっているのだが、宿を取り巻く景色は変わっていないような感じもする。すぐ近くにある切り立った崖には落差60mの金龍の滝があり、流れ落ちた水は川となって旅館のすぐ下を流れていく。地形的に川に向かって谷となっており、旅館の周囲は緑に囲まれている。まさに山あいの温泉宿といった風情。

金龍の滝ちなみに金龍の滝は、「滝の周囲に鉄分を含んだ温泉の噴き出し口が多数あり、その鉄分が付着してより輝いて見える滝は、夕日に映えてあたかも金色の龍が昇天する様を連想されてつけられたと言われる」(現地看板より)とのこと。垂玉温泉の源泉は金龍の滝の滝壺にあり、300年ほど前に当地にあったとされる金龍山垂玉寺の修行者によって発見されたという。滝壺の近くには露天風呂「滝の湯」があり、滝見の入浴ができるのだが、残念なことにこちらは宿泊客専用。混浴とのことだが、女性には湯浴着が用意されている。

「湯もまた極めて大きい、三条の滝となって石もて畳める湯槽に落ちる、色は無いが、細く白い澱が魚の子のように全体に浮遊している、硫化水素の臭いが鼻を刺す。」(「五足の靴」より)

垂玉温泉山口旅館-かじかの湯日帰り入浴客は露天風呂「かじかの湯」と大浴場「天の湯」の利用となる。ちなみに日帰り客は本館の玄関から入らず、その脇にある窓口で料金を支払い、本館下のトンネルのような通路を下っていく。まずは「かじかの湯」へ。茅葺き屋根の素朴な建物。湯船は2つあり、岩風呂はほんのりと白く色がついたお湯。ひのき風呂は濃い緑色のお湯。泉質が異なるようだ。ちなみに男湯はひのき風呂だったのだが、女湯は桶風呂。朝夕で男女入替制となっているらしい。露天風呂から見えるのは周囲の山の景色。緑が一面にあふれているが、紅葉の時期は絶景だと思う。

つづいて大浴場「天の湯」へ。まともな旅館の大浴場といった感じで、浴室はかなり広いし、湯船も大きい。濃い緑色のお湯に白い湯の花がたくさん浮かんでいる。「かじかの湯」と同じく川に面しており、ガラス張りとなっているのだが、渓谷の雰囲気を味わえるのみで水面までは遠い。本館からはだいぶ下ったように思ったが、まだかなりの高低差があるようだ。金龍の滝もギリギリ見えずちょっと残念。大浴場にはサウナ、水風呂、打たせ湯つき。

この2つの湯船でも満足といえば満足だが、せっかくならば宿泊して「滝の湯」を体験したい。「五足の靴」に描かれた風景を味わうことができるはず。

垂玉温泉山口旅館
源泉/垂玉温泉(単純温泉、含硫黄・カルシウム・マグネシウム−硫酸塩泉)
住所/熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽2331 [地図
電話/0967-67-0006
交通/南阿蘇鉄道阿蘇下田城ふれあい温泉駅よりバス16分「垂玉」停すぐ
料金/大人600円、子供300円
時間/11:00〜15:00


五足の靴 (岩波文庫 緑 177-1)

地獄温泉清風荘(熊本県南阿蘇村河陽)

地獄温泉清風荘「地獄温泉清風荘」は阿蘇山を中心とした阿蘇五岳の南、標高800mに位置する。人里から遠く離れ、周囲には山の大自然があるだけで、ほかには何もない。パンフレットには「山麓の温泉秘境です」とあるが、秘境という言い方も決して大げさではない、素朴な湯治場の風情がある。とにかく時が止まっているかのように鄙びており、つげ義春の漫画に登場してもおかしくはない雰囲気なのだが、残念なのは秘湯目当てにそれなりの客が訪れていることかも。

当時宿としての歴史は古く、文化5年より200年の歴史を持つ。明治中期に建てられたという本館の玄関の左右には「地獄温泉」、剣片喰紋の大きな提灯がぶら下がっている。ここで入浴の受付をする。日帰り入浴のお風呂は全部で4か所。敷地内に点在しているので、受付で渡される簡単な地図を参考に湯めぐりをする。ちなみに本館は食事つきの旅館として営業しているが、ほかに山荘風の別館、自炊棟、トレーラーハウスがある。

地獄温泉清風荘-新湯地獄温泉清風荘-新湯

まずはいちばん遠いところにある「新湯」へ。遠いといっても歩いて5分も足らず。湯治棟の外れにある。新湯といっても新しい雰囲気はまったくしないのだが、木で組んだ湯船が1つあるだけの露天風呂。3〜4人がお湯に浸かったらいっぱいというほどの大きさで、緑色をしたお湯が掛け流し。湯の花がたくさん混じっている。雑木林を眺めながらの入浴。

地獄温泉清風荘-元湯地獄温泉清風荘-元湯

湯治棟の真ん中にあるのが「元湯」。ちなみにこの湯治棟はテレビなどで目にする田舎の木造小学校といった風情。浴室も年季が入っている。こちらも緑色のお湯が掛け流し。ひなびた雰囲気の中でじっくりお湯に浸かりたいという人におすすめ。

地獄温泉清風荘-すずめの湯「すずめの湯」には露天風呂と内風呂がある。やや窪んだところに位置するので階段で降りていくのだが、階段を下りている途中から露天風呂の様子が丸見え。しかも混浴であった。その混浴の露天風呂の向かいに脱衣所があって、男女別の内風呂がある。男性が「彦しゃん」、女性が「おてもやん」。

地獄温泉清風荘-すずめの湯(内湯)地獄温泉清風荘-すずめの湯(露天風呂)

まずは内風呂へ。露天風呂からお湯を引いているので、やや温め。灰色をした泥湯だが、泥が沈殿しているという感じはなく、お湯もさらっとしている。ここでの入浴はそこそこにして、次は混浴の露天風呂へ。軽く身体を拭いて裸のまま外へ。服を着た人、裸の人、男女それぞれが通路で交錯するという不思議な光景である。まず左手に高温の湯船が2つ。湯船の底から源泉がぷくぷくと湧き出ている。湧きたての新鮮な源泉を体験できる機会なんて滅多にない。通路を挟んで6つに仕切られた温めの湯船がある。おばちゃんたち2〜3名と混浴。これだけひなびた雰囲気だと、おばちゃんたちには申し訳ないが混浴という緊張感はまったくない。雰囲気、泉質はともに極上。灰色のにごったお湯なので、浸かってしまえば何てことはないのだろうけど、それ以前の動作に女性は抵抗感があるのかも。

地獄温泉清風荘-露天風呂「露天風呂」は男性の脱衣所は1階にあり、その目の前に湯船がある。女性の脱衣所は2階にあり、渡り廊下で少し歩いたところに湯船ある。斜面を利用して女性が上段、男性が下段といった感じのひな壇になっており、女性側から男性側が見えることから「仇討ちの湯」と呼ばれている。いずれも岩風呂。

地獄温泉清風荘-露天風呂(男湯)地獄温泉清風荘-露天風呂(女湯)

雑木に囲まれているため景色がよいというわけではないが、地獄温泉は野趣あふれる雰囲気がキーワードのひとつ。わざとらしい眺望を期待してはいけないし、ここではありのままの自然を満喫するのみ。とはいえ、清風荘の中では唯一開放感があり、大きな岩風呂でのんびりすることができる。源泉は女性側の湯船からホースで給湯されており、時々ガスがゴボッとまとめて出てくる。ほんのり黄土色に色のついたお湯が掛け流し。

地獄温泉清風荘-曲水庵地獄温泉清風荘-曲水庵

地獄温泉清風荘-曲水庵地獄温泉清風荘-曲水庵

元湯から露天風呂の中間に「野鳥料理 曲水庵」という看板を掲げた建物がある。わりと大きな建物で、とくに特徴のない外観とは打って変わって、内部は本格的な古民家の造り。パンフレットには「十数年もかけて集めた、300年以上の木材をふんだんに使った〜」とある。そば、どんぶり物などの料理はテーブル席だが、野鳥料理は囲炉裏席で。脇には水が流れており、料理は小船に乗ってやってくる。平安時代には「曲水の宴」として楽しまれたというが、現代風に言えば回転寿司のようだ。こんにゃく、さといも、豆腐などのほかに、つい先ほどまで生け簀にいた鮎、そして野鳥はスズメ、ウズラ、カモ。これらを囲炉裏の炭で焼いて食べる。最初のうちはもの珍しさが勝っていたが、いざ口にしてみるとスズメやウズラなどは硬いし、好き好んで食べるものでもないな、というのが正直な感想。

地獄温泉清風荘地獄温泉清風荘

最近ではテレビや雑誌などで湯治場が取り上げられることが多く、また気軽に湯治気分を味わえるような旅行の仕方も紹介されている。病気の療養といった長逗留の湯治客も数多く滞在しているのだろうが、話を聞いていると骨休めに訪れている近所の農家も多いようだ。そして名湯・秘湯との噂を聞いてやってきた遠方からの観光客。いろんな人が訪れていたが、共通しているのは湯治場の雰囲気と良質な温泉を楽しんでいること。野趣あふれる山の湯治場を満喫したいなら、間違いなくここはおすすめ。いつまでもこの雰囲気のままでいてほしいと思う。

地獄温泉清風荘
源泉/地獄温泉
     (新湯:新湯…単純温泉)
     (元湯:たまご地獄、元地獄混合湯…単純温泉)
     (露天風呂:たまご地獄、元地獄混合湯…単純温泉)
     (すずめの湯:すずめ湯第一泉源、すずめ湯混合泉…単純硫黄泉)
住所/熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽2327 [地図
電話/0967-67-0005
交通/南阿蘇鉄道阿蘇下田城ふれあい温泉駅よりバス15分「国民宿舎前」停徒歩3分
料金/大人400円、小学生以下200円
時間/8:00〜20:00
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昭和レトロ総合サイト「まぼろしチャンネル」で温泉レポート連載中。全国から選りすぐったディープで、どローカルな温泉をご紹介します。「いかす温泉天国」(5ch)をよろしく!
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当ブログでご紹介している温浴施設の情報は、すべて自ら訪問し記録したものです。再訪時に料金・設備等で変更点があればその都度追記していますが、施設によっては現在と異なる点がありますのでご了承ください(⇒情報をお寄せください)。 また、当ブログ記載の「交通」は、各施設の公式サイトやパンフレットで公表している情報です。公表なき場合は1分=80mとして計算しています。
神奈川県の銭湯料金
神奈川県の銭湯の料金は下記の通りです。
・大人470円(12歳以上)
・中人200円(6歳以上12歳未満)
・小人100円(6歳未満)
銭湯にはタオル、ボディソープ、シャンプーを持参して行きましょう!

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