旅は哲学ソクラテス

興味があるのは風呂屋めぐりとベイスターズです。それ以外のことにはあまり興味がありません。
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台湾

北投温泉公共露天浴池(台北市北投区中山路)

北投温泉公共露天浴池

北投公共露天浴池はその名の通り、台北市が運営する公共の露天風呂。露天なので水着を着て入るのだが、いちおう混浴。簡素なつくりの個別更衣室(というかシャワー室)で着替え、荷物はそのへんに適当に置いておく。貴重品ロッカーや番人みたいな女性もいたのだが。

全体的に敷地の傾斜を利用した石造りのレイアウトで、6つの浴槽があり、うち2つはやや冷たいいわば水風呂。ほかの4つは上から「ものすごく熱い」「熱い」といった具合に並んでおり、熱い湯が順々に下に流れ落ちていくというつくり。たまたま監視員に「熱い」「ぬるい」を5分ずつ交互に入るようにと指示されたが、地元の人そして日本人の観光客はお構いなしに自分の好きなようにしていた。なぜ僕らだけ指示されたのかはまったくもって不明である。

水着で入る露天風呂だけあって景色は最高。温泉街に立ち並ぶホテルを一望できる。通りからは塀があって見えないようになっているのだが、温泉街のいちばん谷の部分に位置するので、まわりのホテルからはばっちり見られている、といった感じ。裸じゃないからいいけど。気軽に楽しめる温泉施設なので、年齢を問わず多くの人で賑わっていた。

北投公共露天浴池
源泉/北投温泉(強酸性硫鉱泉)
住所/台北市北投区中山路6号
電話/+866-2-2893-7014
交通/MRT新北投駅より徒歩6分
料金/40元
時間/8:30〜11:45、12:00〜14:45、15:30〜18:45、19:00〜21:45



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北投温泉瀧乃湯(台北市北投区光明路)

北投温泉街台北市内からいちばん近い温泉街が北投温泉である。台北車駅からMRTで約40分、北投で支線に乗り換え1駅。新北投で下車。台北市郊外といった風情だが、駅前から温泉街が広がっている。熱海や福岡、京都といった名前をつけたホテルが並び、写真だけ見るとまるで日本の温泉街に来ているようだ。

北投温泉街を流れる川なだらかな坂道、そして川が流れていること。そんな風景が温泉街にはよく似合う。温泉の成分が酸化したのか、川は茶色く濁っていた。温泉がそのまま流れているようで、川で足湯している人も見かけた。川は公園の中を流れ、さかのぼっていくと地熱谷に出る。いわゆる地獄谷。もうもうと湯気が立ち上り、この温泉のすごさを物語っていた。

北投温泉発見者は…北投温泉は1894年にドイツ人のオウリーという硫黄商によって発見された。ちょうどその頃、一攫千金を夢見てやってきた大阪の商人・平田源吾がこの地に赴き、負傷した傷口を癒したと言われている。そして平田は1896年に「天狗庵」という温泉旅館(台湾の温泉旅館第1号)を開業した。また1905年には日本政府が「陸軍療養院」を開設し、北投は温泉地として開発されていった。

岡本要八郎また、この温泉では北投石の存在が注目されている。1905年に滝乃湯を訪れた地質学者の岡本要八郎が発見した鉱石で、ラジウム(放射線)を含んでいる。大量の放射線を浴びると人体に有害だが、少量の放射線ならば体内の免疫力を活性化するという。日本では秋田県の玉川温泉が癌に効くとして人気だが、北投石を産出するのはここ北投温泉と、日本の玉川温泉、そして南米のチリのみとのこと。

北投温泉博物館北投温泉には1923年に昭和天皇(当時皇太子)も訪れている。その時に立ち寄った当時の公衆浴場は「北投温泉博物館」としていまも活用されている(1913年竣工)。その後、第2次世界大戦中から朝鮮戦争、ベトナム戦争にかけては公娼制度が存在したこともあり、日本軍やアメリカ軍兵士で賑わった。この2〜3年は台湾でも温泉ブームで、SPAを売り物にしていたりするのを見ると、日本の温泉地となんら変わりはない。


(2010/01/18追加)



北投温泉には源泉が4つ(青・白・鉄・炭酸)あるようだが、おもに利用されている源泉は、下記の2つ。
○強酸性硫鉱泉(青温泉)
○弱酸性単純泉(白温泉)

青温泉は地熱谷が源泉のラジウム泉。白温泉は近くにある陽明山のふもとを源泉とし、おもに宿泊施設などで利用されている。
今回訪れた「滝乃湯」「北投公共露天浴池」はいずれも青温泉。



北投温泉瀧乃湯

滝乃湯瀧乃湯は日本統治時代に開業した公共浴場。たたずまいは日本のレトロな銭湯そのもの。

90元を払い中に入っていくと、まず脱衣所というスペースがなく、いきなり浴室。通路と思しき場所が一段高くなっており、ベンチが並んでいる。そこでも足が濡れるのだが、注意しながら服を脱ぎ、壁一面に設けられた棚に押し込んでいく。

奥のほうにはカランとシャワーが申し訳程度に並んでいた。片隅には手桶が置いてあり、それでかけ湯をして入浴。ものすごく熱い。たぶん東京の銭湯よりも熱く、草津温泉に来たんじゃないかと思うくらい熱い。どうしたものかと思っていると、おっさんが「向こうだよ」と指差す。よく見ると真ん中に仕切りがあって、「ものすごく熱い」と「それほどでもないがやっぱり熱い」に分かれている。当然それほどでもないほうに身を沈めた。

落ち着いたところでまわりを見渡すと、中はものすごく薄暗くて、おっさん達はみんな黙って湯につかっている。汗が引いてから着替えるという習慣みたいなものはここでも存在し、必死に柔軟体操をしてみたり、床に仰向けで寝そべってみたり、狭い浴室の中を思い思いの方法で過ごしていた。

瀧乃湯
源泉/北投温泉(強酸性硫鉱泉)
住所/台北市北投区光明路244号
電話/+866-2-2891-2236
交通/MRT新北投駅より徒歩6分
料金/90元
時間/6:30〜21:00


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烏来温泉小川源(台北県烏来郷烏来村)

烏来温泉小川源

「小川源」は烏来温泉のメインストリートの中程にある温泉施設。エントランスは日本の温泉旅館っぽい感じ。台湾では大浴場という概念が浸透しておらず、入浴は日本で言うところの貸切風呂あるいは家族風呂が主流。しかし小川源ではそうした「個人池」のほかに、いわゆる日本と同じ大浴場「公共池」がある。

まず入口で暖簾をくぐる前にカゴに入ったフェイスタオルとバスタオルを渡される。そして服を脱いだら、カゴごと浴室に持って入るのが台湾流。カゴは浴室内にある棚に入れておく。

すべて内湯で、43〜44度はあろうかという高温風呂のほか、下からブクブク出るジャグジーとバイブラ湯、そして打たせ湯がある。これらブクブク系は一定の時間が経つと止まってしまうのだが、センサーに手をかざすとまた動き出す。

湯上りはバスタオルにくるまり、浴室内に並んでいる椅子に座ってまったりするのが台湾流。カゴごと持って浴室に入るのはこのため。汗が引いてから着替えるのだが、ほかの客の様子を見ていると、お湯に使っている時間よりまったしている時間のほうが長いのではないだろうか、と思う。身体を洗ってから入浴するといった基本的なルールは日本と同じ。

ガイドブックにも載っているので日本人の利用者も多い。北投温泉の次に訪れるとするなら烏来温泉。小川源のような温泉施設が並んでいるので、ぜひ台湾流を味わってみてほしい。

小川源パンフレット

小川源
源泉/烏来温泉(弱アルカリ性炭酸泉、源泉80〜86℃)
住所/台北県烏来郷烏来村烏来街32号
電話/+866-2-2661-6222
交通/烏来バス停より徒歩3分ほど
料金/250元(公共池)
時間/8:00〜24:00、無休


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バスは台北火車駅前の公園路(青島西路との角あたり)から出ている。
系統番号はないが、方向幕には「烏来」、側面には「新店客運」と書いてある。
運賃は前払いで70元。所要1時間20分。
途中でMRTの新店駅を経由し、そこからだと40分、40元。烏来は終点。
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