小松湯(川崎市川崎区大島)小松湯を訪ねたとき、目の前の公園では子ども達が全力でドッヂボールに興じ、すぐ近所の酒屋ではおっちゃん達が角打ちでほろ酔いだった。小松湯の店先に貼られたポスターは、地元の大島劇場。いまでは珍しい大衆演劇専門の劇場だ。どこにでもありそうな住宅地なのに、庶民的な風情を感じさせる。こういう環境には銭湯がよく似合うし、地元に愛されているのが伝わってくる。

小松湯(川崎市川崎区大島)フロントで料金を支払い、下足札と引き換えにサウナの引っ掛け鍵を、さらにフェイスタオルとバスタオルを受け取る。銭湯でのサウナ利用には店ごとの決まり事があったり、戸惑うこともしばしば。小松湯の場合で言えば、バスタオルをどうするかということ。「腰に巻くように」との看板に従うも、あいにくサウナ利用客は他におらず、最後まで正解はわからずじまい。

小松湯(川崎市川崎区大島)遠赤外線ヒーターでこじんまりとした室内。「低い温度でもよく温まる」といった趣旨の説明もあるが、温度計は108℃を指していた。しかしそこまで熱くは感じないし、心地良くも感じる。そのあとの水風呂は銭湯にしては冷たく、身体が引き締まる。ゆいるからそのままハシゴしたせいか、小松湯では2セットに留めたのに、帰り道に軽く脚が攣ったということは、しっかり発汗したのだろう。

小松湯(川崎市川崎区大島)入浴剤の替わり湯は寝湯と座湯のジェット。ガリウム石温浴泉はバイブラと電気風呂。白乳泉は文字通り真っ白なお湯で、「天然鉱石の粉末を…」といった説明。東京浴剤(剤の字は旧字体)という会社は、ストリートビューで確認したらいまも存在し、ごく普通の一軒家に看板を掲げていた。

といったわけで、ひと通りの個性的な湯船があって、その一つ一つがじんじんとよく温まる。夜遅くまで開いているし、近所に住んでいたら風邪など引くこともないだろう。若干のぼせた感もありつつ、たまには町の銭湯も良いものだなと。



小松湯
住所/川崎市川崎区大島5-8-7 [地図]
電話/044-233-3371
交通/JR川崎駅よりバス「大島五丁目」停徒歩2分
料金/大人490円、中人200円、小人100円
     サウナは別途200円
時間/14:00〜26:00、毎月8日・18日・28日定休