リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)徳川家康ゆかりの久能山。その麓に位置するのが、リバティーリゾート久能山。真っ暗な坂道を上がった先には広大な駐車場があって、門をくぐると時代劇のセットのような町並み。赤い欄干の橋を渡ると温浴施設。店名こそ変わっているけれど、景色や雰囲気は「すんぷ夢ひろば」のまま。運営会社が変わるのは三度目で、こんどは地元静岡のIT関連会社。大滝温泉天城荘などの再生も手掛けている。

リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)初日と2日目は各2,000名を無料招待して大々的にオープン。地元の人はそれで満足したのか、駐車場も館内も人影がなさすぎて不安になる。コロナ禍でのオープンとあってか、ウェブか用紙にての会員登録必須。さらに身分証明書の提示も求められる。フロントでは利用時間を選択して料金の支払い。手首には紙を巻かれるし、退館時には会員バーコードを再び提示しなくてはならない。ついでに言うと脱衣所ロッカーは100円リターン式だし、飲食は現金支払い。いっそのことICタグ付きのリストバンドにしたら良いし、そもそも受付までに何分費やしたことか。

リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)階段を下ると左手にフードコート、右手には座敷が広がる。レストランもあるがセルフサービスだし、券売機による食券制とあって、リゾートを謳うわりにはチープな印象。肝心の券売機は置いてなかったし、オープン当初のドタバタ劇なのだろうか。戸惑いを通り越して笑えてくる。今回のリニューアルでは派手だった装飾も取り外され、いまはただ広さを持て余している。どのように活用し、コンセプトを演出していくか。これからに期待だ。

リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)浴室はといえば、リニューアル前と何ら変わっていなかった。湯船ごとに徳川家康の人生ストーリーが掲示され、湯に浸かりながらそれを読むのだが、家康ファンはきっと楽しいのだろう。浴室内ではかつて温泉を使用していたのに、館内のどこにも案内はなく、使用をやめたか温泉分析をしていないのか。

リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)露天エリアは岩風呂がメインで、大きな岩を配した壮大なスケール感。夜の薄暗さを逆手にとって、青や緑のライトアップがまぶしく、温浴施設としては斬新すぎる。すんぷ夢ひろばの頃に楽しみだった薬湯は無くなって、その代わりにテナントの付き合いからか酵素風呂が加わった。入浴剤を使用して色を付けたり、極端に湯温に差を付けたりするわけではなく、全体的にどれも似たり寄ったりのラインナップであるのが惜しい。

リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)サウナは2室あって、片方には「サウナ」とあるが、もう一方には「スパエステ」とあった。謎なネーミングだが、室内には細身のikiストーブを設え、1時間おきのオートロウリュとしている。もう一方のサウナは石積みのストーブで、こちらもかつてはオートロウリュをやっていたような造作。設定温度に10℃の差を付けているものの、どちらも温度計ほどの熱さは感じられず。水風呂は安心の18℃オーバー。ちなみにロウリュサウナは男性のみで、女性側には岩盤浴があるようだ。

リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)休憩スペースは2階にあって、利用できるのは大人だけ。リクライニングシートやビーズクッションなどが並び、別の一角には漫画コーナーも。フリータイム料金だと外出もできるのだろうか。温浴施設外(敷地内)には「町屋エリア」と称し、ライブハウス、シアター、ミュージアムをはじめ、飲食店舗もいくつか。週末を中心にイベントも開催されており、昼間で賑わいもあれば楽しめそう。しかし、館内のフードコートやレストランしかり、夜が早いのがネック。宿泊もあって、露天風呂付きの客室も。大型店が競い合う静岡市内にあって、明確な差別化を打ち出し、客を呼び込みたいところ。賑わいが待ち望まれる。


リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)

パンフレット_0002




リバティーリゾート久能山(静岡市駿河区古宿)


リバティーリゾート久能山
住所/静岡市駿河区古宿294 [地図]
電話/054-204-1310
交通/国道150号線「古宿」交差点より約700m
     ※大型無料駐車場あり
料金/料金表参照
時間/6:00〜23:00(毎週土曜日はオールナイト営業あり。23:00〜翌8:00)
   毎月第2・4火曜日定休

※浴室、露天風呂、サウナの写真は公式サイトより転載