佐野やすらぎの湯(栃木県佐野市小中町)厄除け大師とラーメンで有名な栃木県佐野市。車を走らせていると、たまにラーメンの野立看板が目に飛び込んでくる。どの店が評判なのかよくわからないな…などと考えているうちに佐野やすらぎの湯に到着した。佐野市郊外にあって、敷地内にスイミングスクールを、隣接してゴルフ練習場を併設。入浴料は平日500円とかなりリーズナブルだが、タオルセットと食事も付いた「やすらぎセット」は、なんと1,000円。佐野ラーメンなど10種類位から選べるし、価格破壊もいいところ。こうした低料金が魅力のせいか老若男女問わず、客はひっきりなしに訪れる。

オープンは1997年というから、ぱっと見ではわからないけれど老舗の部類。それでも浴室に入ると、室内をぐるりと囲む洗い場、石の長椅子に時代を感じさせる。このブログで最近紹介したところだと、レッツ高浜各務原温泉恵みの湯などと同じく城設計室による作品。浴室中央に炭酸泉と電気風呂、アトラクションバスをひとまとめにし、壁際に水風呂とイベント湯を配置。既視感を通り過ぎて、もはや楽しめなくなってきた。

佐野やすらぎの湯(栃木県佐野市小中町)

露天の岩風呂は、那須馬頭温泉からの運び湯。調べてみると那珂川町にある旅館9軒からなる温泉地で、「美人の湯」を売りにした無色透明の湯だ。ほかに御影石の壺湯3つが並ぶ。湯船の数だけなら少なく思うが、露天エリアの大半を占める巨大庭園は見ものだ。庭を掘り下げ、巨岩と植栽で囲み、そして長い年月が作り上げた鍾乳石。鍾乳洞以外で鍾乳石を見るのは初めてだし、屋外にあるのは不思議な感じもするし、まず流通しているものだったのかと。

佐野やすらぎの湯(栃木県佐野市小中町)

サウナが3室もあるのは素晴らしい。高温サウナは遠赤外線ヒーターの前に、ラジウムを放出すると言われる北投石を飾っている。御影石、鍾乳石、北投石と、珍しい石が好きなのだろう。ほかにはミストサウナと塩サウナ。 昼間だと年配客が多いこともあって、サウナ室は社交場と化しているが、ベンチではなく床に直座りの客も。北関東でも埼玉県よりなのに、方言ばりばりで何をしゃべっているのやら。

佐野やすらぎの湯(栃木県佐野市小中町)風呂あがりは600円相当の佐野ラーメンを食す。あっさりとして上品な味は飽きがこないし、ご当地の味を安く味わえるものスーパー銭湯ならでは。食休みがてらリクライニングシートでうとうとできるのも素晴らしい。手ぶらで訪ねて食事もして、だらだら半日過ごしてもたった1,000円。どのように算盤をはじけばこの金額が実現してやっていけるのか。この金額に慣れてしまった佐野市民がもし東京など訪れようものなら、逆に憤慨するのだろうか。

佐野やすらぎの湯
源泉/南平台温泉(単純温泉)
住所/栃木県佐野市小中町215 [地図]
電話/0283-24-2617
交通/東武佐野線・JR両毛線 佐野駅よりバス「やすらぎの湯」下車
     国道293号線「石塚町」交差点より約3.4km
     国道50号線「下羽田町」交差点より約6km
     ※無料駐車場500台分あり
料金/(平日)大人500円、子供250円、2歳まで無料
     (休日)大人600円、子供250円、2歳まで無料
時間/10:00〜24:00(休日は9:00〜24:00)