川原湯温泉 王湯(群馬県長野原町川原湯)八ッ場ダムは2020年の完成を目指し、周辺環境の整備を含め、まだまだ工事の真っ最中。しかし、しばらくぶりに訪れたものだから、川原湯温泉へのアプローチは大きく様変わりおり、突如現れた駐車場に慌てて車を停める。そこは共同浴場王湯にいちばん近い駐車場だったが、真新しくもぽつんと一軒建つ王湯がなんとも寂しい。

川原湯温泉 王湯(群馬県長野原町川原湯)ほかにも旅館と土産物屋もあったのだが、平日とあって人影すら見えず。観光客よりも工事の作業員の方が断然多く、重機の音がどこからともなく聞こえてくる、そんな状況。源頼朝が発見してから800年以上の歴史を持つ川原湯温泉。ダムの建設に伴い、王湯は5年前に現在地へ新築移転。笹湯聖天様露天風呂が廃止されたいま、川原湯温泉唯一の共同浴場となった。

川原湯温泉 王湯(群馬県長野原町川原湯)券売機でチケットを購入し、すぐ隣のフロントに提示。地元観光のパンフレットとともに、八ッ場ダムの見学スポットなどの資料も。かつてはダム底に沈む悲運の温泉としての取り上げられていたが、いまでは積極的に共生をアピールする。

浴室はそのすぐわきに浴室、階段を上がると休憩室。新しさゆえ、シンプルさが物寂しくも感じる。ほぼ貸し切り状態ならなおさら。内湯と露天に湯船が1つずつあるのみで、そこに無色透明の温泉をかけ流し。しかし、源泉温度が高いため、加水しているとのこと。

露天風呂からは間近に雑木林を眺める。吾妻川を見下ろす高台にあるが、八ッ場ダムが完成したら、水位も上がり、眺めも多少変わってくるのだろうか。

川原湯温泉 王湯(群馬県長野原町川原湯)畳敷きの休憩室では自販機のジュースを飲む以外にやることもなく、窓から見える景色といえば道路の造成工事など。 温泉施設としての機能は新しくしたけれど、共同浴場としての古き良き風情ではなく、どこにでもありそうな日帰り温泉に変わってしまった。八ッ場ダムの完成とともに、新しい温泉街も完成したとき、環境や観光客の流れがどう変化していくか、また再訪して確認したい。

川原湯温泉 王湯(群馬県長野原町川原湯)

川原湯温泉観光協会

川原湯温泉 王湯
源泉/川原湯温泉(含硫黄−カルシウム・ナトリウム−塩化物・硫酸塩泉)
住所/群馬県吾妻郡長野原町川原湯4916 [地図]
電話/0279-83-2030
交通/JR吾妻線川原湯温泉駅より約1km
     国道145号線より八ッ場大橋経由、または道の駅八ッ場ふるさと館経由
     ※温泉街に公営無料駐車場2か所あり
料金/大人500円、子供300円
時間/10:00〜18:00、1/1と1/20(湯かけ祭り)は休業