鮎川温泉 金井の湯(群馬県藤岡市金井)神流川で埼玉県との県境をなす群馬県藤岡市。カーナビの指示通りに車を走らせ、車窓からの景色は田園風景からやがて里山風景へ。不安な気持ちにさせられる道中だが、駐車場には開店早々から数十台。上信越道の藤岡ICから約15分の道のりとあって、都会からも近からず遠からずの距離感。それでいて田舎気分を満喫できるのだから、休日にここを目指す客は多いのだろう。

鮎川温泉 金井の湯(群馬県藤岡市金井)下足箱の鍵と引き換えに、番号の記された札を受け取る。館内での飲食はこの番号で行い、その分は後払いとなる。バーコードを導入するほどの施設規模ではないし、他の温浴施設でも同様の札を渡されたが、これは群馬方式なのか。2001年オープンとベテランの部類だが、施設にさほどの古さは感じない。賑やかな店内装飾、親しみやすい接客など、素朴さがよい。

鮎川温泉 金井の湯(群馬県藤岡市金井)

浴室に入ると、まずは水風呂。打たせ湯のごとく絶えず水が流れ落ちる。その隣には遠赤外線ヒーターのサウナ室。年季を重ねて飴色の空間だが、嫌な臭いもなく、むしろコンディション良好。公式サイトには「95℃の高温にこだわっています」と。この熱さによってサウナ、水風呂、外気浴の絶妙なバランスが成り立っているのかもしれない。

鮎川温泉 金井の湯(群馬県藤岡市金井)電気風呂やジェットバスなどもあるが、何と言っても源泉風呂。黄土色で塩分を多く含むのが特徴。温泉成分が湯船の縁などを丸く盛り上げ、床は千枚田のように堆積。個性的な温泉であることは一目瞭然。歴史を重ねた施設だからこそ味わえるこの鄙び感だ。さらに、清流を目の前にした露天風呂は、都会では味わえない開放感。護岸擁壁に土留めを少し設けただけで、塀もなく、ほどほどの距離感で釣り人の姿も。深さを2段にした湯船には打たせ湯もあるし、寝湯としてのんびり浸かることもできる。

鮎川温泉 金井の湯(群馬県藤岡市金井)湯あがりは食事処で自家製麺の蕎麦を食す。良い温泉に浸かった時ほど、蕎麦を食べたくなる不思議。山の緑と清流を一度に楽しめる素晴らしい環境にあって、温泉好きはもちろん、サウナ好きも納得の施設だ。


鮎川温泉 金井の湯
源泉/鮎川温泉(ナトリウム−塩化物・強塩温泉)
住所/群馬県藤岡市金井627 [地図]
電話/0274-40-8888
交通/国道254号線「白石」交差点より県道173・175号線経由で約5.2km
     上信越道藤岡ICより約8.5km
     ※無料駐車場あり
料金/(4時間)大人750円、子供450円、70歳以上500円
     (1日)大人1,200円、子供800円、70歳以上800円
     (深夜料金)大人500円、子供300円、70歳以上350円
      ※子供は4歳〜小学生、1日は20時まで、深夜料金は20時以降
時間/9:00〜22:00、年中無休