みさかの湯桃やぶどうの一大産地として知られる山梨県笛吹市。市内には笛吹川が流れ、笛を吹くのが上手な少年の哀しい言い伝えに由来するのだとか。笛吹市は石和温泉で有名な石和町、中央道一宮御坂ICの一宮町、御坂町などの合併により誕生。そして、石和町になごみの湯、一宮町にももの里温泉、御坂町にみさかの湯と、市内には3軒の公営温泉が営業している。

みさかの湯(山梨県笛吹市成田)今回訪ねたのはみさかの湯。地域の特産でもあるバラを栽培しており、毎週月曜日には女性浴室でバラ風呂を行っているという。それ以外は何処にでもありそうな、のんびりとした温泉施設。市民は割引料金で利用でき、さらに17時以降はお得とあって、仕事を終えたおじいさん達が続々やって来る。フロントで料金を支払うと入浴券を渡されるが、これはロッカー施錠にも使用する。

みさかの湯(山梨県笛吹市成田)大きく窓を設けていることもあって、浴室は煌々と明るく、そして広々としているけれど、なんだか殺風景なのは公共施設特有と言えるかも。大きな湯船にバイブラやジャグジーがあったり、ほかに打たせ湯があったり。露天風呂もまた特筆すべきこともなく、結論から言えば、地元住民の健康増進が主たる目的なのかと。

そんな中でも、わざわざ訪ねるべき理由を挙げれば、サウナが3室もあることだ。高温サウナ、塩サウナ、ミストサウナと、それぞれが地元のおじいさん達の社交場と化していた。観光客より地元客に特化した施設ならではの光景と言える。さすがに水風呂は1つで2人サイズ。温度設定やコンディション、マナーといった細かい話はさておき、サウナ3室はじゅうぶん施設の売りになり得るはず。

みさかの湯(山梨県笛吹市成田)贅沢なほど広い館内を持て余しているのも公共施設ならでは。休憩室として畳敷きの大広間が2室。片方にあった食堂は営業を取りやめ、その代わりに設置したのがセブンイレブン自販機。カップラーメンやお菓子など入っているもので、安いサウナ店やオフィスビルにありがちな自販機。県内初の設置としてアピールしているけれど、観光客には地元のおいしい店の案内図でも配った方が喜ばれるはずだが。

みさかの湯
源泉/単純温泉
住所/山梨県笛吹市御坂町成田2200 [地図]
電話/055-261-6166
交通/国道20号線(勝沼BP)「成田」交差点より約650m
     ※無料駐車場120台分あり
料金/(市外1日券)大人720円、小学生410円
     (市外・夜間券17時以降)大人520円、小学生310円
時間/10:00〜22:00、毎月第2・第4火曜日定休(祝日の場合は翌日)