金春湯(東京都品川区大崎)山手線徒歩圏といったら憧れの住宅事情だろうけど、大崎駅西口なら夢が叶うかも。ちょっと歩くと戸建が建ち並ぶ庶民派風情。地勢的には高台で細い路地もあったりするから、大規模な街並み整備を免れたのか。百段坂に由来するのが百反通りで、その通りに面して建つのが金春湯。マンションの1階に、銭湯とコインランドリーを構えている。創業は昭和27年だという。

金春湯(東京都品川区大崎)サウナは別途300円で、手提げバッグの中には敷きマット。入浴用のタオルを忘れてきてしまったが、ありがたいことに無料で貸してくださった。ボディソープやシャンプーは浴室備え付けだし、手ぶらで行けるのはありがたい。サウナ室横にはフックがあって、手提げバッグごと引っ掛けておく。

浴室の右半分に洗い場、左半分に高温浴2つ+水風呂という配置。ジャグジーをわずかに設けているだけで、細かく仕切ったりしていないから、ゆったりとした湯船で手足を伸ばして浸かれるのが魅力。自動調整とあったが絶妙な湯加減。うとうとしてしまった。

金春湯(東京都品川区大崎)ボナサームのほどよき熱さ・湿度を保ったサウナと、冷たすぎない水風呂。こじんまりとしたサウナ室は、清潔できれいな木目の空間。テレビもないし、BGMもない。浴室はグレーと水色のタイルの、やや無機質な空間にも映る。メディアが取り上げたくなるようなビジュアル要素は全くないが、とかくここ最近はSNSでの話題をよく見かける。ふだん使いのちょうどよさ、常連にも一見客にも心地よさがあるからだろう。

金春湯(東京都品川区大崎)ロビーは畳敷きの小空間。オリジナルのTシャツやサウナハット、こどもの絵本やおもちゃなどがあって、銭湯では珍しくクラフトビールの販売も。風呂あがりの家族づれに至っては、自宅のリビングのように寛いでいる。この和やかな雰囲気が金春湯最大の魅力であって、誰かに伝えたいという思いが、新たな客へと繋がっていくのだろう。



金春湯
住所/東京都品川区大崎3-18-8 [地図]
電話/03-3492-4150
交通/JR大崎駅西口より徒歩8分
     都営地下鉄戸越駅、東急戸越銀座駅より徒歩8分
料金/大人460円、中学生300円、小学生180円、未就学児80円
     サウナは別途300円
時間/15:30〜24:00、毎週月曜日定休(祝日の場合は翌日)