255848A5-3D13-4722-B72F-8976CD1CD208平成最後の年にあえて昭和のサウナを取り上げるとしたら、それはもう時代の歩みを重ねたサウナ遺産に認定せざるを得ない。その勝手に選ぶサウナ遺産こそが、福島県二本松市のバイパスサウナだ。サウナ店といえば都会の人なら駅前をイメージするし、まれにサウナしきじ大垣サウナのような市街地の外れにも。しかし、バイパスサウナは郊外も郊外、二本松という小都市のしかも国道沿い。昔ながらのドライブインに併設している。

バイパスサウナ(福島県二本松市杉田駄子内)いまやドライブインこそ希少価値があるし、家族和気あいあいといったイメージはとうの昔。もしここが道の駅だったら、もっと賑わうのかもしれないが。客層としてはトラックドライバーが大多数を占めるのだろう。バイパスドライブインには「男女風呂」もあるが、あえてサウナを利用する客はどの程度か。訪ねた日は始終貸切。従業員不足の日は早仕舞いもあるという。

バイパスサウナ(福島県二本松市杉田駄子内)初訪の店はドキドキするものだが、玄関ドアは場末のスナックのようで、おのずと緊張感が高まる。しかし、ドアを開ければ初老の紳士がお出迎え。昭和の優雅を絵に描いたような店内は、木更津のつぼやを髣髴とさせる。サウナ自体は22時までの営業だが、客室も備えており、宿泊も可能だという。

浴室の古びたさまには目をつぶりようもなく、むしろそれを楽しむ余裕が必要だ。また、都会のサウナ店のような優れた設備も期待してはいけない。その代わり、ガツンと熱いサウナがある。

074A335E-B02D-4D42-918B-CA865135CF87例えば近隣のスーパー銭湯がどうとか他所との比較ではなく、昔からこうだと言わんばかりのストロングスタイル。乾燥しきっていて、身体を焼かれているかのよう。ベンチのマットは、たいていの家庭では台所の足元に敷かれているもの。水風呂は蛇口からの冷たさに頼るのみ。せっかく来たし、滅多に来れないしということで3セットをこなし、休憩室へ。色合いが懐かしく、同じ時代を生きてきたんだなぁとしみじみ思う。

バイパスサウナ(福島県二本松市杉田駄子内)サウナのあとの楽しみといえば食事。1階は大衆食堂のような雰囲気で、こちらにはトラックドライバーがちらほら。年配の方でも山盛りご飯だし、若者はカツ丼とラーメン。さすがは働く男達だ。店名を冠したバイパススタミナ定食を注文してみたが、ボリュームあるし、お母さんの手作り感にあふれていた。これはロードサイドのファミレスでは出会えない味、そして雰囲気。サウナとドライブインのどちらにおいても、遺産として残すべき名店だ。

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バイパスサウナ ※男性専用
住所/福島県二本松市杉田駄子内47 [地図]
電話/0243-23-0578
交通/JR東北本線杉田駅より徒歩18分
     国道4号線(二本松BP)沿い
     東北自動車道二本松ICより約2.5km
     ※無料駐車場あり
料金/800円(3時間以内)
時間/10:30〜22:00、毎週水曜日定休