こおりやま駅前サウナ24(福島県郡山市駅前)郡山が「東北のシカゴ」たる由縁は、駅前のいかがわしさ。水商売や風俗の客引きが通りを闊歩し、「いますぐ客引きをやめてください〜」といったアナウンスがむなしく聞こえてくる。薄暗く怪しい通りがある一方で、上から下までネオン輝くビルがあったりと、平均がないのがこの街の特徴。こおりやま駅前サウナはアーケードの入口にさわやかな看板を掲げているけれど、そのアーケードを通り抜けるには勇気が要る。客より多い客引きを交わしながらたどり着いた先は、飲食店が集合する雑居ビル。

こおりやま駅前サウナ24(福島県郡山市駅前)たいていのサウナ店ならば、サウナ店そのものが核テナントとして存在感を放つが、ここは知る人ぞ知るオアシスか。エレベーターを4階で降りると、目の前にはひと昔のサウナ店風情。小さな券売機でチケットを買い、緊張しながら扉を開ける。5年前のリニューアルを機に「サウナグリーン24」から名を改めたようだが、公式サイトの洗練されたイメージには遠く、玄人向けの店内。

こおりやま駅前サウナ24(福島県郡山市駅前)下足箱の鍵の預かり札とフェイスタオルを貰い、ロッカー室へ。4桁の番号をセットするタイプ。隣近所からはカラオケの歌い声が大音量で聞こえてきて、それはこの店での束の間のBGMだ。深夜0時以降はシャワーのみの利用となるらしく、事故防止の文言も泥酔客に向けたものか。「暴力団排除」のポスターを適当に切って裏紙としているあたり、土地柄と言うべきか。

こおりやま駅前サウナ24(福島県郡山市駅前)歯ブラシやカミソリといったアメニティは別料金。安いのだから仕方ない。温かい湯船と冷たい水風呂、そしてサウナ。洗い場は5人分しかなく、客数に見合ったシンプルイズベストな空間と表現したい。

サウナは遠赤ヒーター。2つに分かれてベンチを設け、テレビでは日本シリーズの野球中継。郡山市民が広島カープに肩入れする理由がわからないが、やはりアンチ大資本の発想か。安サウナはいつだって労働者の味方だ。タトゥーのおにいさんも汗を流してから水風呂へ。見た目で人を判断してはいけない。(そもそもタトゥーは入館不可のはずだが)

こおりやま駅前サウナ24(福島県郡山市駅前)ワンフロアをなんとなく衝立で仕切った休憩室は、方やリクライニングシート、もう一方は布団が並んでいる。電源がなさそうだったので泊まるのをやめたけど、布団で寝るのも良さそう。客の何人かは脱衣所で勝手にケータイを充電していたし、なんだか自由でいいですな。ちなみに都内のサウナ店では当たり前になりつつあるフリーWi-Fiなんてあるはずもなく、作業場なんてもってのほか。基本的には終電を逃したり、飲み疲れた人をもてなす店だから。

こおりやま駅前サウナ24(福島県郡山市駅前)入館料にしたって「夕方から翌12時」と、かなりアバウトな表現で、それでは夕方とはいったい何時なのか?なんて聞くだけ野暮。外出自由でも丸々24時間は居たくないし、歯ブラシ220円、カミソリ220円とか高すぎるし。それにしても、猥雑とした夜の郡山にあっては、滞在中はやはり束の間のオアシスだ。これぞ駅前サウナ本来の姿とでも言うべきか。

こおりやま駅前サウナ24 ※男性専用
住所/福島県郡山市駅前2-6-4 [地図]
電話/024-932-0344
交通/JR郡山駅北口より徒歩3分、中央口より徒歩4分
料金/6:00〜11:00の入館…550円(タオル付き)
     11:00からの入館…700円(タオル付き)
     夕方から翌12:00までの利用…1,990円(ガウンセット付き)
     24時間の利用…2,500円(ガウンセット付き)
時間/24時間(24時〜7時はシャワーのみ)