郡山湯処まねきの湯(福島県郡山市向河原町)郡山市は南東北随一の商業都市。繁華街は駅の西側に広がり、一方の東側はいまだ発展途上。駅徒歩圏には広大な敷地を持つショッピングセンターもあるが、やはり車社会のようだ。平日だし夜も遅かったせいか、SC自体が閑散としており、まねきの湯もまたしかり。ドン・キホーテやラウンドワンといった若者向けの大型店舗と並んで建つが、いまいち呼び込めていない様子。週末はどうなのか気になるところ。

郡山湯処まねきの湯(福島県郡山市向河原町)地方都市の大型スーパー銭湯の気軽さだが、お風呂以外の館内設備は充実しており、しかも入館料金は平日600円(休日700円)とリーズナブル。その代わりタオルや館内着などはすべて追加料金。今回は翌朝までの滞在目的で訪ねたが、朝6時から7時までの1時間は精算不可。よって深夜料金を加算した金額を先払い。営業時間の表記自体がちょっとややこしい。

郡山湯処まねきの湯(福島県郡山市向河原町)館内には有名無名を問わず、芸能人のサイン色紙がべたべたと。ややミーハーな印象。脱衣所のロッカーは100円リターン式だが、裸になってから小銭がないことに気づき、たまたま通りかかった清掃スタッフの親切対応に感謝。浴室はがらーんと広く、そして薄暗く、BGMもないから静かすぎた。湯船はバラエティーに富んでいるも、深さを替えているだけだったりして、実際の系統数は多くない。

郡山湯処まねきの湯(福島県郡山市向河原町)

フレキシブルホースを後付けした炭酸泉、トルマリンや麦飯石などが沈む岩盤鉱石風呂、テレビの映りの悪いリラクゼーションバス、一段高くなっただけの展望露天風呂など。店舗がオープンしたのは6年前なのに、流行の変化に合わせて改修しているようだし、スーパー銭湯だから工夫している感じも見て取れる。しかし、12月より「天然温泉に生まれ変わりました」とあって、おそらくは地下水の成分を分析した結果かと。

郡山湯処まねきの湯(福島県郡山市向河原町)サウナは中温と高温の2室。高温サウナは石積みのヒーターを囲んでコの字型にベンチを設け、15名程度を収容。施設規模のわりに広くないのが惜しい。ついでに言えば、薄暗い室内に小さな文字のPOPは読めやしない。テレビもなく無音の空間に、時おりジュワッとオートロウリュが立ち上る。その間隔は2分30秒おきだが、ほんのり加湿する程度。

スタッフによるロウリュも1日5回開催しており、挨拶もそこそこにいきなり始まり、何かを説明するわけでもなく、やけどレベルに熱くして、うちわで扇いでおしまい。驚くほど雑なロウリュだったが、近隣に競争相手がないから独自路線を突っ走れるのか。

郡山湯処まねきの湯(福島県郡山市向河原町)食事処の利用客はドリンクバー無料。館内のどこかに書いてあっただろうか、スタッフからも案内がなく残念。ラストオーダー22:30も早いが、その30分前にはすでにノーゲス。地方都市の夜は早い。隣接する休憩スペースは現代感覚をかなり意識した雰囲気。だらだらと過ごすにはもってこいだし、入館料だけで時間制限なく利用できるのだからコスパは高い。本棚にはずらりと漫画本が並ぶ。しかしここも客はまばらで、クッションなど散らかり放題。販売品の服や何かの景品(?)が雑多に放置され、宴のあとなのか片付けが面倒なだけなのか。

郡山湯処まねきの湯(福島県郡山市向河原町)まねきの湯を手掛けるコシダカの本業は、カラオケボックスの「まねきねこ」。フィットネスの「カーブス」を傘下に持つ。それにしては企業内の相乗効果やエンタメ要素はあまり感じられず。たとえば、宴会場の稼働率よりカラオケボックスのほうが強みを活かせるし、エアロバイク以外のフィットネス器具を設置すれば、カーブスのノウハウを活かせるはず。

郡山湯処まねきの湯(福島県郡山市向河原町)そこにきて本格的なのはキッズコーナーの作り込み。「混雑時は15分交替」とかそこまで賑わうのか。こども無料は最大の呼び込み術だし、かなり太っ腹でファミリー層にとってはコスパ高すぎ。リラックスルームは雑魚寝だし寒くてよく眠れなかったけど、朝まで過ごして2,000円。詰まる所、スーパー銭湯は庶民の娯楽だし、昨年の「@nifty温泉」ランキングで福島県1位(東北エリア3位)とは、御見逸れしました。

郡山湯処 まねきの湯
源泉/不明
住所/福島県郡山市向河原町4-40 [地図]
電話/024-941-4126
交通/JR郡山駅中央口より徒歩14分
     福島県道17号線(旧国道4号線)「大町」交差点より約1.1km
     ※無料大型駐車場あり
料金/平日大人600円、休日大人700円
     ※小学生以下のこどもは無料
     朝風呂(受付7時〜11時、利用は13時まで):大人430円
     深夜営業(25時〜9時):深夜料金加算1,410円、入浴のみ90分870円
     ※深夜25時以降の入館は 024-941-4126 に電話
時間/7:00〜25:00、深夜営業25:00〜翌9:00
     ※6:00〜7:00は精算不可