センター南温泉 湯もみの里(横浜市都筑区茅ヶ崎南)神奈川県内に限らず全国的にもスーパー銭湯は飽和状態にあり、新規開店数は年々減少傾向。それでもなおオープンの一報とあれば、否が応でも期待と注目が集まる。場所はスパガーディッシュが独擅場とする港北ニュータウン。温泉と岩盤浴を売り物とし、価格帯も似通っているのは気になるところ。両店舗と地域にとって相乗効果が見込めれば良いが。

センター南温泉 湯もみの里(横浜市都筑区茅ヶ崎南)センター南の駅前は親子づれが多く、街並みも若い印象。それでいて湯もみの里は小学生以下を入館不可としている。施設によってコンセプトは様々だが、あえて大人向けの雰囲気を演出するでもなく、見る人によってはすぐわかる玉岡設計の色。フロントではICタグ付きのロッカーキーを、階段手前のカウンターではタオルと館内着のセット、岩盤浴(別料金)のセットを受け取る。2つのバッグでロッカーの中はごちゃごちゃ。

浴室に入るとまずは温泉使用の人工炭酸泉。「ここでしか味わえない」の表記に違和感を覚えるが、「当地から湧き出す〜」とあれば何も言えない。黄褐色の温泉は地下1,500mから湧出したという。塩分を多く含むこともあって、個人的好みで言えばもっと温めでも良いかなと。ほかに室内にはジャグジーとシルク風呂。

露天には壺湯や寝ころび湯、温泉を使用した湯船はオリンピック見たさの客が手前側を埋めていた。「湯もみの里」と呼ぶほどの温泉風情はなく、むしろ他所でも見たことあるようなスパ銭風情しか感じない。

サウナは86℃超を表示するが、実際はベンチ最上段で80℃ほど。いや、それよりも体感はもっと温い。天井高と奥行きを活かしてベンチの段数を増やせば良かったし、不意にプシャーっと作動する自動ロウリュも気休めでしかない。対して水風呂は16℃以下と攻めているが、アンバランスは否めない。

センター南温泉 湯もみの里(横浜市都筑区茅ヶ崎南)岩盤浴は趣向の異なる44℃(石)、45℃(タイル)、55℃(タイル)の3室と、7℃のクールルーム。コミックコーナーを含め、どの部屋もほぼ貸切状態とは寂しい。このうち55℃の部屋は石積みストーブを室内中央に置き、衝立を簡易ベンチすることも可能。ということは、将来的に着衣ロウリュを想定しているのか。隣接するリクライニングシートの休憩室は誰でも利用可能で、実際に岩盤浴エリアの自動改札のわきをすり抜けていく。途中で方針転換したのだろうか。

センター南温泉 湯もみの里(横浜市都筑区茅ヶ崎南)最上階には寝ころび座敷。閑散とした様が物悲しく、滞在型コンセプトは活かされていない。ぐるりと外に回り込んでデッキの先には足湯があるも、想定する客層に恵まれていないのも明らか。公式サイトもパンフレットもなく、店内の掲示板も持て余している。ついでに言えばスタッフも間を持て余している。オープニングのいまやるべきことは山ほどある。そして、どういう店づくりをしたいのだろうか。オープンして2週間経つのに、いまだ真っ新な印象を受けた。

センター南温泉 湯もみの里
源泉/ナトリウムー塩化物強塩温泉
住所/横浜市都筑区茅ヶ崎南4-3-1 [地図]
電話/045-942-2611
交通/横浜市営地下鉄センター南駅より徒歩7分
料金/平日1,240円(21:30以降980円)、休日1,490円
     ※小学生以下の入館不可
     岩盤浴は別途860円
時間/10:00〜25:00、年中無休