蒲田温泉(東京都大田区蒲田本町)大田区内に黒湯が湧く銭湯は数あれど、知名度で群を抜くのは蒲田温泉だ。蒲田郵便局の角をまっすぐ雑色方面へ。JRでも京急でも駅から1km足らずの距離。住宅地の中には不釣り合いなほどのド派手な看板が立ち、夜は煌々と灯る。玄関先には時に自転車が多数並び、お年寄りはベンチで茶飲み話。この光景にはいつも圧倒される。

蒲田温泉(東京都大田区蒲田本町)券売機は印字した紙ではなく、小さなプレートで、フロントに差し出す。浴室備え付けのボディソープとシャンプーは毎朝補充しているそうだが、昼14時に訪ねた時点ですでに半分以上は減っていた。いかに客が多いかは明らかだし、そもそも10時オープンはなかなか使い勝手が良い。

蒲田温泉(東京都大田区蒲田本町)奥行きが細長い浴室は、手前にサウナと水風呂、洗い場の先に湯船を4つ配置。真っ黒の温泉を湛えた湯船は、低温湯と高温湯に分かれている。温度計が表示してくれないが、低温湯とはいえ40℃ほどではないかと思うし、「打たせ湯」と名が付いたショルダーネックの装置は作動せず。「新3大熱い銭湯」とテレビでも紹介された高温湯も、しばらく浸かっていられるのだから42〜43℃ほどか。「あまり水で埋めないでください」とあったが、そもそも蛇口がなかった。夏場だから温度を下げているのだろうか。すべすべの肌ざわりを楽しみながらも、のぼせてしまいそう。(写真は蒲田温泉公式サイトより転載)

蒲田温泉(東京都大田区蒲田本町)バイブラと電気風呂は温泉ではなく、そのせいかおそらく同じ温度なのに熱さが身に応える。のぼせてしまいそうだから早々と切り上げ、サウナへ。狭い2段式だが、無料だから文句は言えない。身体が大きく太った人と同じタイミングとなり、見た目の圧迫感、そして余計に室内が熱く感じるから不思議。水風呂は並んで2人が限界で、太った人が半分以上あふれさせてくれるから、常時吐水、さらには蛇口も押しっぱなし。とはいえ温くて、湯船の客もこちらの様子をうかがっている。水風呂渋滞だ。(写真は蒲田温泉公式サイトより転載)

蒲田温泉(東京都大田区蒲田本町)2階の大広間では食事やカラオケが利用でき、さらには仮眠室があるようだ。いっぺん覗いてみたいが、あいにくの定休日(水曜日)だったり、この日もなぜか階段を上がれなくしていた。町の銭湯で宴会を催すなど想像しがたいが、「遠くの温泉より近くの温泉」とは言い得て妙で、地元憩いの場として賑わうなら理想形。健康ランドの元祖と言えるかも。ちなみに昭和12創業とのことで、今年は80年の節目。おめでたい。

蒲田温泉(大田浴場連合会)

蒲田温泉
源泉/蒲田温泉(ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉)
住所/東京都大田区蒲田本町2-23-2 [地図]
電話/03-3732-1126
交通/JR京浜東北線蒲田駅より徒歩12分、京急蒲田駅より徒歩12分
料金/大人460円、中人180円、小人80円
時間/10:00〜25:00、年中無休