スパディオ(東京都板橋区宮本町)スパ◯◯と名のつく施設を、いったいどう定義すれば良いのか。スーパー銭湯より落ち着いた雰囲気を想像するし、訪れる客層もしかり。フロア面積も大きく洒落ていて、これら諸要素は入館料金や飲食単価にも比例する。要するに下駄履きで来るところでなく、週一度ないしは月一度の贅沢な時間。板橋区にハイソなイメージはないが、スパディオの公式サイトからはそんな印象を受けた。

スパディオ(東京都板橋区宮本町)都内近郊の地下鉄の駅を下りて驚くのは、地上に出口がさりげなくあるだけで、駅前らしい風景がまるでないことだ。板橋本町もそう。中山道と首都高、ドトールとコンビニしかない。スパディオはコンビニの角を曲がって、道なりに住宅地を直進。生活道路だから道幅は狭いし、夜は暗いし不安になる。田舎者の感覚だと、カーナビ頼りでも車で行くところではない。

周辺環境に配慮してか、スパディオも電飾の華やかさはない。車なら気づかず通り過ぎてしまいそう。3階建のビル(1階は駐車場)は公共施設のようで、館内もやけに静かだ。フロントの前はがらーんとしており、その光景を喩えるなら市役所の住民票窓口。何だかもったいない。

スパディオ(東京都板橋区宮本町)

入館受付を済ませ、階段を上がると浴室だ。週ナカの夜だから客入りも良くないのか、「空いている方が好き」という方にはうってつけ。湯船の1つ1つが広すぎるのだろうか。そりゃ「遊泳禁止」の貼り紙もするだろう。茶褐色の温泉は塩分を多く含むから、温かさがじわじわとくる。ジャグジーは力強さがあって大変よろしい。スチームサウナは過剰なほどムンムンして、個人的には嫌いだ。ドライサウナは頭のてっぺんから熱くて、ひさしぶりに脱水症状を感じた。水風呂は小さくて語るに値せず。

露天風呂の温泉ジャグジーは激しさが身体に沁み入る。そして温泉岩風呂なのだが、浴室内と温度差を付けてくれないだろうか。いちいち主張する湯船とサウナでは疲れるから、寝てしまうくらいに。

スパディオ(東京都板橋区宮本町)それならばとリクライニングシートの休憩室へ。湯疲れなのか、室内が薄暗いせいか、気づけば爆睡。それで言うのもおかしいが、閉店時間に高いびきの客を起こすのは大変だろうな、と。食事をしようと2階に降りたら、21時以降の夜メニューは選択肢がうんと少なくて残念(ちなみにL.O.は22:00)。他所の温浴施設ならサラリーマンなどの利用でピークタイムのはずだが、食べない物がなければ閑古鳥もやむなし。

スパディオ(東京都板橋区宮本町)スパディオ(東京都板橋区宮本町)

会員料金を設定する温浴施設は多いが、一般入館2,200円に対して、平日の会員入館1,360円と大きく差をつけている。入会金1,000円、更新料500円も他所ではありえないほど高額だが、定期的に利用するつもりなら会員になった方が絶対に得。場所が場所だけに、近隣客のリピート狙いか。逆に言えば、ふらっと立ち寄ろうとする客を拒むかのような料金設定だ。同じ板橋区内にある「前野原温泉さやの湯処」とはコンセプトが異なるも、週一度ないしは月一度の客の奪い合いになりそう。突き抜けた強みと攻めの姿勢が欲しい。

板橋天然温泉スパディオ
源泉/板橋温泉スパディオ(含よう素−ナトリウム−塩化物強塩温泉)
住所/東京都板橋区宮本町49-4 [地図]
電話/03-3967-1126
交通/都営三田線板橋本町駅A4出口より徒歩約8分
     東武東上線ときわ台駅北口より徒歩17分
     ときわ台駅・西台駅(三田線)より無料送迎バスあり
     ※駐車場55台分あり(館内利用3,000円以上で6時間まで無料)
料金/大人2,200円、小人1,360円(小学生以下)
     ※バスタオル・フェイスタオル・館内着含む
     夜割入館料(18時以降)大人1,360円、小人840円
     ※バスタオル・フェイスタオル含む
時間/10:00〜23:00、毎月第2木曜日定休