越谷天然温泉美人の湯 ゆの華(埼玉県越谷市大間野町)まだまだ未踏の地がいくつもあって、どこからやっつけていくか考えた時、せっかくなら電車だと不便なところをと、越谷市のゆの華へ。国道4号線沿いにあって、「ゆ」のネオンがよく目立つ。外観からして老舗の風格が漂うが、なんと今年はオープン30周年。下足箱は木札。洗い場のシャワーは壁付けの固定式。シャンプーやボディソープは備え付けているが、設備や雰囲気はまるで町の銭湯だ。

越谷天然温泉美人の湯 ゆの華(埼玉県越谷市大間野町)浴室は1階「やませの道」と2階「華街道」が男女日替わり。この日は1階が男性。室内のジャグジーの一部はあいにく故障中。湯船の上には雲梯もあるから、童心に帰って遊んでみるとよい。窓の外では植栽がライトアップされ、なかなかの渋い雰囲気。上下段2つの扉のある高温サウナ(タワーと呼ぶほど段数はない)、スチームサウナ、そして水風呂。

露天に出ると右手には半露天で、強力ジェットの爽健美湯。ホームページのお知らせを遡れば、以前はここが故障していたというから、もはや満身創痍。そして、袋詰めされた入浴剤が沈む薬湯。肝心の温泉は岩風呂で使用しており、黒湯だが20cmほどの透明感。ひっそりと源泉かけ流しの湯船もあって、こちらは加温しておらず、人肌程度のぬる湯が楽しめる。しかし細長く小さいから大人が2人で精一杯。植栽しかり、岩風呂のつくりしかり、露天風呂の雰囲気は純和風。大部分を屋根に覆われているのが惜しい。

越谷天然温泉美人の湯 ゆの華(埼玉県越谷市大間野町)喫煙所は脱衣所に隣接、もう一か所はロビーの一角でスロットコーナーを兼ねて。いずれも完全に仕切られたわけではないから、嫌煙家は眉をひそめそう。そしてロビーの一角は、テーブル席と小上がり席の軽食コーナー。券売機のボタンの数に限りがあるためか、メニューの一部は「10円券」などを組み合わせる。そもそもメニューの数は少なく、手の込んだ品はない。それだから軽食コーナーなのか。

スパ銭の競争も熾烈を極める昨今、申し訳ないがよくぞ生き延びているなというのが率直な感想。建物や設備の老朽化を目の当たりにして、果たして料金に見合っているのかと考えさせられる。もうちょっと走ったらさらに満足できる店もあるだろう。町の銭湯の拡大版と捉えるべきか、田舎の健康ランドの縮小版と捉えるべきか。しかし、長年親しんで通い続ける客もいるだろうから、ざっくばらんな雰囲気は変わらずにいてほしい。

越谷天然温泉美人の湯 ゆの華
源泉/越谷天然温泉美人の湯(ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉)
住所/埼玉県越谷市大間野町3-61-1 [地図]
電話/048-985-4126
交通/東武伊勢崎線「蒲生」駅西口より徒歩17分
     東武伊勢崎線「新越谷」駅、JR武蔵野線「南越谷」駅より徒歩20分
     国道4号線「大間野」交差点より約400m
     ※無料駐車場150台分あり
料金/大人730円(中学生以上)、小人310円(4才以上)
時間/10:00〜26:00(土曜日のみ深夜4:00まで)