船橋健康センター ゆとろぎの湯(千葉県船橋市夏見)年々減少の一途を辿っているのは町の銭湯に限ったことではなく、地方の健康ランドもいまや危機的状況なのかもしれない。最近飛び込んできた話では小岩のファミリー湯宴ランドが4月20日に、そして船橋健康センターが今月末に閉館する。どちらも理由は施設老朽化などによる。健康ランドが華やかだったのはバブルに沸いた頃か。そうすると船橋健康センターの平成3年オープンは後発組とも言えるし、老朽化という理由もしっくりこないが、ぱっと見は昭和テイスト。

今回は早朝5時からの朝風呂で訪ねたが、お年寄りの朝は早く、あちこちで常連たちが挨拶を交わしていた。まずはフロントで料金を支払い、ビニールにパッキングされたタオルセットとロッカーの鍵を貰う。泊まり客の朝風呂もちらほら。

船橋健康センター ゆとろぎの湯(千葉県船橋市夏見)船橋健康センター ゆとろぎの湯(千葉県船橋市夏見)
船橋健康センター ゆとろぎの湯(千葉県船橋市夏見)船橋健康センター ゆとろぎの湯(千葉県船橋市夏見)
(写真4点は船橋健康センター ゆとろぎの湯公式サイトより転載)

浴室内の真ん中には円型風呂が2つ。吐水口に石を載せた麦飯石風呂と美容風呂という名のジャグジーだ。ほかに歩行湯、寝湯、水風呂があって、人気はやはり漢方薬湯。多少こなれた匂いがするも、ピリピリ感のある浴感は癖になる。ハーブサウナではミストが降り注ぎ、人参実母散の香りが漂うが、これをハーブだという強引さはさすが健康ランド。そして定番の高温ドライサウナもある。

露天風呂のうち、古代檜の湯船は入浴剤を使用したイベント湯。桜の造花で飾られ、一足早くお花見気分。岩風呂はこれまた定番の草津温泉。早朝の冷たい風に吹かれながら、熱めの湯につかる。健康ランドの人気はひと通り揃っている。

船橋健康センター ゆとろぎの湯(千葉県船橋市夏見)男女別の仮眠室やリクライニングシートの休憩室など、湯あがりに寛ぐスペースは2階にある。食事処では朝食営業も行っている。朝8:30で閉館するのに慌てる素振りもなく、館内着でうろうろしている客も。再入館の手続きをすれば引き続き滞在利用ができるようだ。「柏か船堀か…」などと健康ランドの情報交換している常連たちは、次の「住まい」を探している様子。ずいぶん濃い客に支えられてきたようだが、もう間もなく25年の歴史に終止符を打つ。

船橋健康センター ゆとろぎの湯(千葉県船橋市夏見)

船橋健康センター ゆとろぎの湯
住所/千葉県船橋市夏見3-28-1 [地図]
電話/
交通/東武野田線塚田駅より徒歩10分・新船橋駅より徒歩11分
     JR総武線船橋駅北口・新京成線高根公団駅北口より無料送迎バスあり
     国道14号線「湊町二丁目」交差点より約3km
     ※無料駐車場200台分あり
料金/(平日)大人1,580円、シルバー1,480円、中高生800円、子供500円
     (休日)大人1,780円、シルバー1,680円、中高生800円、子供500円
     ※館内着・タオルセット付き
     ※シルバーは65歳以上、子供は3歳〜小学生
     ※深夜割増料金:大人1,500円、中高生1,000円、子供500円
     ※深夜パック:大人2,400円(入館料+深夜割増、平日22時以降)
     朝風呂:大人800円 ※5:00〜8:00、タオルセット付き
     看板浴は別途800円
時間/10:00〜翌8:30、年中無休