京王高尾山温泉/極楽湯(東京都八王子市高尾町)新宿から約1時間の距離にあって、手軽に登山が楽しめるスポットとして人気の高尾山。これから秋の紅葉シーズンはますます人出が増えることであろう。そして先日、玄関口となる高尾山口駅の裏手に隣接して、登山帰りにも便利な「高尾山温泉」がオープンした。地盤が強固であったために温泉掘削が難航し、オープンは当初の予定よりも1年以上先延ばしとなった。大手温浴チェーン「極楽湯」のフランチャイズであるため、店名にも京王と極楽湯の2つのブランドが併記されている。

オープンから10日経っても大盛況の館内は、券売機に1人ずつ、フロントには3人のスタッフがお出迎え。昼ピークを迎え、大混雑する食事処を横目に階段を上がると、2階には浴室。檜風呂はマイクロバブルの、いわゆるシルキーバス。週替わりの湯は甘草エキス配合。色がかなり薄まっていたところに、スタッフが入浴剤を追加しに来た。客が見ているというのに、手桶で直接投入するとは大胆すぎる。室内にはほかに、フィンランドスタイルの高温サウナと水風呂がある。

京王高尾山温泉/極楽湯(東京都八王子市高尾町)

露天風呂は温泉岩風呂と人工炭酸泉、座り湯の3種類。室内も含めて、ジャグジーなどを設けなかったのは最近の流行りか。温泉は地下1,000mから湧出し、かすかな白さと硫化水素臭が特徴。さらさらとした肌ざわりも感じられ、さがみ湖温泉うるりほどの個性はないが、泉質的には似ている。岩風呂は上下2段で温度が異なり、あつ湯は43℃のしっかりとした熱さだ。のどかな山の景色を眺めるから、高尾山に登らずとも旅行気分が味わえる。

京王高尾山温泉/極楽湯(東京都八王子市高尾町)昼ピークの食事処は、名前を書いて順番を待ち、カウンターの注文口で並び、食事ができるまで待つ。改善点はいろいろあろうが、そもそも疑問なのは、本来想定される客の大半が登山帰りだと仮定して、なぜこの施設が昼間から混雑を迎えているのかと。登山者は山頂で弁当を食べたほうが美味しいのに。さらに突っ込んで言えば、8時から営業している意図は何だろう。地元客の朝風呂需要だろうか。

京王高尾山温泉/極楽湯(東京都八王子市高尾町)館内には京王線の時刻表が、駅ホームと同じように表示されている。専用の連絡通路も新設されたから、雨にも(ほとんど)濡れずに利用可能だ。高尾山はミシュランガイドで最高評価の3つ星を獲得したことから、外国人観光客も多いはず。最近では温浴施設におけるタトゥー問題について、観光庁も調査に乗り出したところだが、高尾山温泉での解禁とはならなかった。

京王高尾山温泉 / 極楽湯
源泉/京王高尾山温泉(単純温泉)
住所/東京都八王子市高尾町2229-7 [地図]
電話/042-663-4126
交通/京王高尾線高尾山口駅隣接
   国道20号線「高尾山口駅前」交差点より駅裏手へ
   ※駐車場約110台分あり(3時間まで無料)
料金/(通常)大人1,000円、子供500円
   (シーズン料金)大人1,200円、子供600円
   ※大人は中学生以上、子供は4歳〜小学生、3歳以下無料
   ※シーズン料金は2015/11/14〜11/30・2016/1/1〜1/3・GW
時間/8:00〜23:00、年中無休

京王高尾山温泉/極楽湯(東京都八王子市高尾町)京王高尾山温泉/極楽湯(東京都八王子市高尾町)
高尾山温泉のオープンに先立って改築された高尾山口駅は、建築家の隈研吾氏が手掛けた。駅の連絡通路はエントランスから期待が高まる。