お玉湯(東京都千代田区岩本町)歴史的な佇まいを残す銭湯、スーパー銭湯に引けを取らない最新設備を持った銭湯など、町の銭湯もさまざま。訪ねる銭湯ごとに魅力を感じるが、銭湯めぐりの楽しみといえば、町の歴史や地理にも触れられることだろう。神田駅の東、秋葉原駅の南に位置する岩本町には、小規模なオフィスビルや商店が建ち並ぶ。その一画にお玉湯はある。

面白い屋号だと思ったら、もともとこの界隈には上野の不忍池よりも大きな池が広がっていたという。お玉が池は江戸時代半ばより埋め立てられ、いまは面影すらないが、茶屋の看板娘「お玉」が身を投じたという恋物語から繁栄お玉稲荷大明神が鎮座する。

お玉湯(東京都千代田区岩本町)さて、話を戻してお玉湯へ。法令用紙や実務書でお世話になっている方も多いであろう、日本法令本社ビルの斜向かい。ビル銭湯だが、道路面より数段下げているのは天井高を確保するためか。フロント式で、その対面に男湯と女湯の暖簾が並ぶ。広くはないがロビーもあって、夕方は近所のご老人のコミュニティの場と化していた。サラリーマンにとっては、仕事帰りにふらっと立ち寄るのにとても便利。

お玉湯(東京都千代田区岩本町)浴室はコンパクトながら明るい空間だ。奥の壁一面は竹林の写真パネル。数は少ないがシャンプーやボディソープの備え付けもあるから、タオル1枚あればよい。湯船は深湯と浅湯(ジャグジーとバイブラ)の2つ。「埋めすぎ注意」といった貼り紙もあるが、水で埋めるほどの熱さでもなく、浅湯ならのんびり浸かっていられる。神田や秋葉原など複数の駅が利用でき、いずれも徒歩10分以内とアクセスの良さが魅力だ。

お玉湯
住所/東京都千代田区岩本町2-2-14 [地図]
電話/03-3866-2306
交通/都営新宿線岩本町駅A5出口より徒歩4分
   東京メトロ日比谷線小伝馬町駅5番出口より徒歩5分
   JR新日本橋駅徒歩6分、神田駅徒歩7分、秋葉原駅徒歩9分
料金/大人460円、中人180円、小人80円
時間/14:40〜23:30(日祝は23:00まで)
   毎週土曜日定休