蛇の湯温泉たから荘(東京都檜原村数馬)白川郷の合掌造り、京都の町家など、地域の風土に根ざした建築様式は興味深い。東京都の最西端、檜原村数馬では兜造りの古民家を数棟見ることができる。兜造りは合掌造りにも似た様式だが、兜のように見えることからその名が付いた。小屋裏では養蚕が行なわれていたという。蛇の湯温泉たから荘の兜造りは、江戸時代中期の建築で、国の登録有形文化財に指定されている。(文化遺産オンライン

蛇の湯温泉たから荘(東京都檜原村数馬)古民家の昔風情は座敷にも表れている。太平洋戦争に出征した先祖様のご尊顔や、赤紙(召集令状)などが飾られ、傍らの座卓は雑誌が雑然としていたり、まるで個人のお宅を訪ねているかのよう。客室は別棟にあるようだから雰囲気はわからぬが、母屋だけは素朴な民宿の趣。山里の斜面に建っているため、階段を下って浴室へ。ロッカーはないから籠を使う。

蛇の湯温泉たから荘(東京都檜原村数馬)浴室には湯船1つ。窓の外は鬱蒼とした緑の景色。そして、南秋川の渓流を見下ろす。温泉は自然湧出で、泉温10.6℃の無色透明。蛇の湯温泉は「武蔵野風土記」にも記された古湯で、たから荘ただ1つ。ちなみに、東京都唯一の「日本秘湯を守る会」加盟旅館でもある。秘湯を実感するより、むしろ「ここも東京なのか!」とロケーションに驚くばかり。そして、ひと昔前はこのような鉱泉宿が各所にあったのだろう。旅情ムードに浸るとともに、タイムスリップしたかのような錯覚を覚えた。

蛇の湯温泉たから荘(東京都檜原村数馬)

蛇の湯温泉たから荘
源泉/蛇の湯温泉(単純硫黄冷鉱泉)
住所/東京都西多摩郡檜原村数馬2465 [地図]
電話/042-598-6001
交通/JR五日市線武蔵五日市駅よりバス65分「仲の平」停下車
     国道20号線「本町」交差点より山梨県道33号線経由で約22.6km
     国道411号線「油平」交差点より都道7号線〜206号線経由で約30km
料金/大人1,000円、小学生700円、幼児500円、2歳以下無料
時間/10:00〜18:00