高鶴山荘(千葉県鴨川市上)房総半島でマニアに有名といえば曽呂温泉だが、ほど近い距離にあるのが高鶴温泉だ。こちらはむしろマニアックな存在で、標高326mの高鶴山の東麓に建つ、山荘を名乗る民宿。コテージも数棟あるが、困ったことに玄関先に看板を掲げていないから、どこから訪ねればよいのか戸惑うこと必至。朝8時から日帰り入浴を受け付けているが、のんびりとした雰囲気が漂っていた。

高鶴山荘(千葉県鴨川市上)入浴料650円を支払って案内されたのは、湯船1つあるだけの内湯。一般家庭の1.5倍ほどの大きさだろうか。もし相客がいたら気まずい雰囲気になりそう。「千葉の湯めぐり」という本には緑に囲まれた貸切露天風呂とあったが、日帰り客が利用できるのはこの内風呂のみ。浴室の窓から見えるのは、無造作に放置されたガラクタの数々。重大な過ちとはこのことか。

高鶴山荘(千葉県鴨川市上)曽呂温泉は茶褐色の湯だが、ここは無色透明。天津小湊より温泉を運んでいるようだ。お湯に個性があるわけでなく、しかも循環式で、吸い込み口に皮膚を持っていかれそうになる。「入浴後はふたをしてください」との貼り紙に従い、重たい木のふたを並べていたら、なんだか侘しい気持ちになっていく。

高鶴山荘
源泉/たかつる温泉(温泉法の温泉)
住所/千葉県鴨川市上531-2 [地図]
電話/0470-92-9271
交通/国道128号線「曽呂十字路」交差点より約4.5km
料金/大人650円、小学生以下350円
時間/8:00〜20:00、年中無休