御谷湯(東京都墨田区石原)最近よく見聞きするのが、「デザイナーズ銭湯」という単語。建築家によってトータルプロデュースされた現代志向の銭湯で、天然温泉久松湯南青山清水湯武蔵小山温泉清水湯などが代表例。そしてこのたび、戸越銀座温泉などを手掛けた今井健太郎建築設計事務所によって、このたび御谷湯(みこくゆ)が新築リニューアルオープンした。

5階建のビルを構え、1階にはコインランドリーも。まず券売機でチケットを買ったら、下足札と一緒にフロントに預ける。ロッカーの鍵を貰ったらエレベーターで浴室へ。男湯4階と女湯5階は週替わり。開業初日とあって、脱衣所からして大混雑。浴室にいたってはカランがほぼ埋まっていた。ちなみに数は少ないが、シャンプーやボディソープの備え付けあり。

御谷湯(東京都墨田区石原)御谷湯は墨田区内では珍しい温泉の湧く銭湯だ。温泉は高温、中温、低温と3つの湯船に分かれており、好みの温度でじっくり浸かるもよし、交互浴を楽しむもよし。外気浴のバルコニーに面しており、室内に明るい光をもたらすが、これで景色のごく一部でも眺められたら最高だったのに。4階にいながらにして高さも感じられず。お湯はウーロン茶のような色をしており、肌ざわりもよい。

温泉の湯船はもう1つあって、ジャグジーと打たせ湯のわきに、まるで洞窟のような空間。小窓からほんのり明かりが差し込むだけの薄暗さ。人肌程度のぬるさ(不感湯)で、ついうとうとしてしまう。

扉を隔てて独立した空間に薬湯の湯船を設け、ここでは外気がわずかに感じられる。1つ1つの湯船は大きくはないが、数は多く、温度の違いもあって色々な楽しみ方ができる。奇抜なお洒落要素はなかったが、普段使いの銭湯としてはもちろん洗練されており、高齢化社会に対応すべく「福祉型家族風呂」も1階に設けている。

御谷湯
源泉/御谷湯温泉(温泉法の温泉)
住所/東京都墨田区石原3-30-8 [地図]
電話/03-3623-1695
交通/JR総武本線・東京メトロ半蔵門線「錦糸町」駅より徒歩14分
     都営大江戸線「両国」駅より徒歩14分
料金/大人460円、中人180円、小人80円
時間/15:30〜26:00、毎週月曜日定休(祝日の場合は翌日)

※今月は5/22-23が定休