藤の湯(東京都世田谷区玉川台)環八通りと玉川通り(国道246号線)の瀬田交差点。首都高渋谷線の用賀料金所にも近く、都内きっての交通拠点だ。そんな瀬田交差点より100mほどの至近距離にあるのが藤の湯。都内にレトロ銭湯数あれど、ここは「東京ウォーカー」(2014/1/21号)の銭湯特集において銭湯研究家・町田忍さんお墨付きの5選。通りからわずかに入り、手前に倉庫と思しき建物があって全容を遮っているが、千鳥破風の大屋根が目印。

藤の湯(東京都世田谷区玉川台)手前の建物があるため、玄関は横向きに改装し、番台ではなくフロントにしている。入浴料を支払ったあと靴を下足箱にしまい、フロント両脇が男女の脱衣所。玄関の反対側はコインランドリーに通じており、さらに男性脱衣所には関係者以外立入禁止の表示が付いた扉があるが、こちらは自宅へと通じているのだろうか。格天井に昔ながらの体重計や柱時計。新しいものといえば液晶テレビくらいだろうか。

藤の湯(東京都世田谷区玉川台)藤の湯を訪ねるきっかけといえば、「櫓が組まれた檜風呂でゆったりリラックス」というキャッチに添えられた写真。露天風呂かと錯覚するような、東屋風の屋根が浴室内に設えてある。その真下にあるのは檜風呂。袋詰めされた備長炭が沈んでおり、ぬるめのお湯が心地よい。女湯との境は上部を板で仕切っており、タイル一辺倒の銭湯が主流のなか、檜風呂と同様に、木のぬくもりと匂いを感じさせる。

主浴槽はジャグジーとバイブラ湯。東京の銭湯といえば熱湯のイメージがあるが、藤の湯でいちばん熱いのはカランのお湯だったりする。ちなみに両側の壁列のみボディソープ、リンスインシャンプーを備え付けているから、持ち物はタオルだけでOK。

昭和36年の開業からすでに50年を経過。改装に際して新建材を用いるではなく、あえて逆らう。「昭和レトロ」の代名詞としての銭湯空間、ひいては非日常感をうまく演出している。

藤の湯(東京都浴場組合)

藤の湯
住所/東京都世田谷区玉川台2-1-16 [地図
電話/03-3700-3920
交通/東急田園都市線用賀駅より徒歩8分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:30〜23:00、毎週金曜日定休