湊湯(千葉県船橋市湊町)レッツエンジョイ東京の「銭湯マップ」によれば、千葉県内の銭湯は昨年9月時点で70軒。そのうち船橋市内には14軒。東京のベッドタウンとして発展した都市だが、今回訪ねた湊湯は古きよき銭湯の面影を色濃く残していた。湊湯や湊町の名から港に近いことは想像できるが、この一帯は昭和30年代の埋立地。千葉県内における渋滞の名所、国道357号線日の出交差点より350mほどの距離。

湊湯(千葉県船橋市湊町)住宅地の一画にあって、レンガ調の外壁。コインランドリーを併設しており、典型的な町の銭湯といった風情。QVCマリンでの野球観戦の帰りに立ち寄ったので、着いたのは23時頃だったが、ほかには2人の常連と思しき客。そのうち1人は洗い場で椅子に腰掛けたまま熟睡していた。手前に洗い場、奥に湯船があって、湯船は深/浅の2つ。ペンキ絵は西伊豆戸田から眺めた富士山で、丸山清人師によるもの。湯船から脱衣所を向けば、ロッカーの上に据え付けられたテレビが観れるという、意図的なのか素晴らしい配置だ。

じつはこの銭湯を訪ねたのには理由があって、銭湯マップの「塩分を含んだ水質があたたまると評判の風呂」とのキャッチコピーに惹かれたから。井戸水を使用しているのであろう、この一帯は海が近く、しかも埋立地ということもあり、塩分を多く含んでいる。湯船はもちろん、カランにおいてもモチっとした肌ざわりを実感でき、湯あがりもポカポカが持続する。QVCマリンで雨に打たれた身体に染み入るような、心地よい温かさだった。

湊湯
住所/千葉県船橋市湊町3-21-6 [地図
電話/047-431-3120
交通/京成本線京成船橋駅より徒歩17分、総武線船橋駅より徒歩18分
料金/大人420円、中人170円、小人70円
時間/14:30〜24:00、不定休(月3回)