前野原温泉さやの湯処(東京都板橋区前野町)東京ウォーカーの2013年1月4日発売号は、東京の温泉特集。100施設を取り上げたうち、尊敬すべき温泉評論家の郡司勇さんがNo.1に挙げていたのが、板橋区は志村坂上にある「前野原温泉さやの湯処」だ。源泉かけ流しの温泉はもちろん、非日常空間を満喫できるとあって高い評価を得ているようだ。

前野原温泉さやの湯処(東京都板橋区前野町)地下鉄志村坂上駅より凸版印刷、見次公園のわきを通って約10分。板橋区とはいえ住宅地のなかに贅沢な敷地面積を持ち、駐車場は平置きで台数も多い。

下足箱の鍵は100円返却式でバーコード付き、フロントでスキャンする。館内での飲食はバーコードでチェックして退館時に精算する。玄関からして和の風情を感じさせるが、渡り廊下から眺める中庭も見事だ。有名な作庭家・小口基實氏が手がけたという。渡り廊下は食事処へと通じており、こちらの建物は降幡廣信氏が昭和の邸宅を再生したのだという。ちなみに、売りは国産そば粉を100%使用したせいろそばだが、セルフ式のため、静かな店内に時おり鳴り響くブザーが興醒めだった。温浴施設によくある光景だが、何とかならんのだろうか。

脱衣所では好きなロッカーを使用する。浴室内にあるのは白湯、電気風呂、ジャグジーが2か所に3種類、腰掛湯、水風呂、高温ドライサウナ。内湯では井戸水を使用しており、室内の雰囲気もごく普通のスーパー銭湯と変わらない。

前野原温泉さやの湯処(東京都板橋区前野町)

それに対して露天風呂は再び「和」の趣を感じさせてくれる。一番人気は源泉風呂で、都内では珍しいうぐいす色の源泉をかけ流し。しかも毎日換水し、加水や薬剤投入なしというから、源泉そのままの個性を楽しめる。そのお湯が流れ注ぐ円形岩風呂や3つ並んだ壷湯、寝ころび湯は循環式で加水、塩素消毒剤を使用。ほかに薬草スチーム塩サウナ(薬草とよもぎが週替わり)もあるが、室内には湯気がもくもくと立ち込めており、好みが分かれるかも。露天風呂の周囲は塀で囲まれているが、ふんだんに配置した植栽や木の質感を活かした造作など、センスのよさが随所に感じられる。

2階にある岩盤浴は今回利用しなかったが、「春」「夏」「秋」「冬」と名付け、室内温度を変えた4つの部屋がある。そのうち「春」は庭園を眺めながらごろ寝でき、「冬」はいわゆるクールルーム。ごろ寝といえば、館内には2か所の無料休憩スペースがあり、うち1か所には女性専用スペースも。ロビー側はちょっと騒がしかったが、畳にごろ寝するなどひさしぶりで、しかも湯あがりとあって熟睡してしまった。

入館料が手頃なことに加え、平日は時間制限がないことも嬉しい(休日は5時間制)。2005年12月のオープンから7年経ち、都会のオアシスとして人気はますます上昇中。1日のんびりと楽しみたい施設だ。

前野原温泉さやの湯処(東京都板橋区前野町)

前野原温泉さやの湯処
源泉/板橋前野温泉(ナトリウム−塩化物強塩泉)
住所/東京都板橋区前野町3-41-1 [地図
電話/03-5916-3826
交通/都営三田線志村坂上駅A2出口より徒歩10分
     東武東上線ときわ台駅よりバス「前野町4丁目」停徒歩1分
     JR赤羽駅よりバス「前野町3丁目」停下車すぐ前
     国道17号線「志村警察署前」交差点より都道445号線(常盤台赤羽線)へ
     ※無料駐車場90台分あり
料金/(平日)大人800円、小人500円
     (休日)大人1,000円、小人700円
     ※小人は小学生以下
     ※休日は5時間まで。以降1時間につき100円加算
     岩盤処700円 ※利用は中学生以上
時間/10:00〜25:00、年中無休