国営昭和記念公園は立川市・昭島市にまたがり、東京ドーム40個分の広さを持つ大規模公園。米軍に接収されていた立川基地の跡地に「昭和天皇御在位五十年記念事業」として建設され、昭和58年に開園した。立川駅からは徒歩10分の距離だが、もっとも便利なのは青梅線西立川駅からのアクセス(徒歩2分)。

西立川駅の南側には市立昭和公園や学校が建ち並んでいるが、商店街はなく、辺り一面住宅地。「閑静な」と言えば聞こえはよいが、人影まばらでやや寂しい印象も。そんな住宅地の一画に三光湯はあるが、フロントのおばちゃんに言わせると、この環境ゆえ57年の歴史のなかで客足はぐっと減ってしまった、とのこと。なお、昭島市には最盛期に7軒の銭湯があったという(現在は3軒のみ)。

三光湯(東京都昭島市東町)建物も築57年。訪れたときは真っ暗で外観の細部がよくわからなかったが、千鳥破風の堂々たる佇まい。コインランドリーを併設し、フロントに改修。小さなロビーにはソファとテレビ。ちょうどこの日はプロ野球の日本シリーズをやっていたが、脱衣所ではラジオの音声が流れていた。そして、脱衣所の一角には壁とカーテンで仕切った1帖ほどの喫煙室もあるが、天井は開放しており、正確には「室」の意味をなしていない。坪庭を眺めながら縁側でも喫煙可。

三光湯(東京都昭島市東町)浴室は女湯との境壁に立ちシャワー1つとカラン5つ。真ん中に5-5の島列。外壁側は小さな水風呂とカラン2つ。サウナは脱衣所に食い込む格好で配置。奥に湯船が2つ並んでおり、大きい方はバイブラ・備長炭・ガリウム・ボディマッサージ・座湯ジャグジーとひと通りを完備。「本日の湯は」というお決まりのプレートには「あわあわ」と書かれていたが、これはバイブラ湯のことを指すのだろうか。小さい方の湯船は深湯の薬湯で「宝寿湯」を使用。町の銭湯としてはコンパクトながらも充実していると思う。

女湯との境壁には「富士山詣でスタンプラリー」のバスポスターとマナーポスター。背景はナイアガラの滝(?)のタイル絵。なかなかダイナミックな構図だ。話好きなおばちゃんと楽しく会話させてもらったが、これも銭湯の魅力のひとつ。地域の皆さんには家風呂からの気分転換として、昭和記念公園で休日を過ごした方にはその帰りがけに、昔ながらの銭湯に立ち寄ってみてはいかがだろうか。

三光湯(東京都浴場組合)
国営昭和記念公園

三光湯
住所/東京都昭島市東町4-11-1 [地図
電話/042-541-2669
交通/JR青梅線西立川駅より徒歩5分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     サウナは別途200円
時間/15:30〜23:30(日曜日は15:00〜)、毎週火曜日定休