一の湯(横浜市港北区大倉山)東横線沿線でブランドイメージの高い駅としては大倉山の名が挙がる。東洋大学学長を務めた大倉邦彦が設立した大倉精神文化研究所(現在の大倉山記念館)に由来するが、駅周辺は最近まで昔ながらの太尾町という町名だった。神奈川県浴場組合のホームページでは、一の湯の住所も太尾町と記載されているが、現在は大倉山3丁目。お間違えなきよう(早急なる訂正を)お願いしたい。

駅より東に徒歩3分の距離にあり、この辺りまでは商店街もしゃれた雰囲気を醸し出している。マンション銭湯の1階にて営業しており、建物はその名も「セントヒルズ」。平成元年3月築。併設するコインランドリーは、ロビーからも行き来できる。フロントでロッカーの鍵を受け取り、脱衣所へ。店内には演歌がBGMとして流れていたが、マンション銭湯あるいは街の雰囲気とのギャップを感じさせる。

一の湯(横浜市港北区大倉山)浴室に入ると左手側に湯船が並び、洗い場は壁に沿ってL字型(カラン10コ+立ちシャワー2コ)、島が2列(3-3と片側のみ3コ)。珍しい配置だ。3つある湯船のうち、いちばん大きいのは手前のバイブラ湯(浅湯)。泡風呂兼座湯ジャグジーはとにかく泡がすごく、美容にも効果があるらしい。いちばん奥はイベント湯で、この日は温浴素じっこう。よもぎのプレートも出ていたが、この2つを交互に提供しているのだろうか。

鏡が曇っていたり黒ずんでいたり、シャワーのヘッドが外れていたり、蛍光灯のカバーが錆び付いていたり、脱衣所の黄色く焼けた貼り紙を含めて野暮ったさを感じてしまう。特色ある湯船やきれいな外観を備えているだけにもったいないし、ちょっとの気遣いで若い客層も呼び込めるはずだが。

大倉山駅周辺にはここ一の湯と、しのぶ湯太平館の3軒が営業している。一の湯だけは温泉銭湯でないが、そのぶん立地の良さで勝っており、買い物や通勤通学の際の利便性は抜群。とはいえ、どこに偏ることなく街ぐるみでこの3軒を盛り上げていただきたいな、というのが率直に思うところだ。

一の湯(神奈川県浴場組合)
一の湯(横浜市浴場組合)

一の湯
住所/横浜市港北区大倉山3-2-18 [地図
電話/045-531-9050
交通/東急東横線大倉山駅より徒歩3分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:00〜23:40、毎週土曜日定休