竹の湯(横須賀市船越町)土砂崩れによる脱線事故でその名が知られた京急田浦。横浜市との市境である追浜から1駅。報道などで明らかになったように、横須賀市は山なりの地形が大半で、京急はこの駅から先、「トンネルを抜けたら駅」を繰り返して南下する。京急田浦の駅前には横須賀街道(国道16号線)が通っており、わずかな商店街と住宅地、長浦港に面して東芝の事業所がある。

竹の湯(横須賀市船越町)そんな田浦で唯一の銭湯といえば竹の湯だ。銭湯という商売柄遅くまで店を開けているが、商店街は軒並みシャッターを閉めており、電車から降りた客が四方に散れば町はすぐさま静寂に包まれる。竹の湯を訪ねたとき、ほかの客はと言えば、同年代の男性が2人。おそらく同好の士であろう。地元でないことはすぐにわかったし、そもそもこの町を訪ねる理由などほかにない。

竹の湯(横須賀市船越町)商店街に対して横向きに建っているため、玄関先は飾らない雰囲気が丸出し。番台式の銭湯で、聞けばおよそ60年の歴史を持つという。脱衣所には洗濯機が1台、扇風機やロッカーなど、どこにでもある銭湯といった感じ。しかし、浴室の間仕切り壁に3つ並んだタイル絵は竹の湯の渋さを示しており、一見の価値がある。女将さんいわく「毎日見ているから何とも思わない」とのことだが、もっと自慢してもよいと思う。

竹の湯(横須賀市船越町)こじんまりとした浴室は、間仕切り壁にカランが5つ、通り側は4つ+立ちシャワー1、真ん中には3-3の島。奥には湯船が2つ並んでおり、大きい方は浅湯のバイブラ湯とジャグジー、小さい方は深湯のジャグジー。温度計は38℃を指しているがそんなはずはなく、実際は42〜43℃といったところ。鯉のタイル絵、その上に富士山を描いたペンキ絵があり、ビジュアル的には申し分なし。1つ1つが優れた芸術作品で、こんな「当たり」に出会えるのも町の銭湯の楽しみだと言える。

竹の湯(神奈川県浴場組合)

竹の湯
住所/横須賀市船越町1-51 [地図
電話/046-861-4204
交通/京急本線京急田浦駅より徒歩4分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:30〜22:30、毎月5・15・25日定休