越の湯(川崎市幸区古市場)銭湯といえば「熱湯」を連想する人もいるだろう。客の出入りやジャグジーのブクブクですぐに温くなってしまうから、家庭に比べれば熱めに沸かしているところが多いと思う。もちろん地域性も多少は関係する。「江戸っ子の熱湯好き」とは言うが、神奈川県内でも古くからの雰囲気が残る町では熱めだと思う。いろいろな銭湯がある中で、ビル銭湯は一概に温めな気がするが、鹿島田の越の湯はそうでもなかった。

鹿島田駅より商店街を東にまっすぐ行くと、府中街道の交差点の角に多賀良湯がある。越の湯はさらにまっすぐ行き、住宅地の一画にある。古市場というから古い街並みを想像していたが、地図を見るとお分かりいただける通り、越の湯や交番を中心として町は形成されている。多摩川の蛇行によって東京府荏原郡(矢口村)に属していた時代もあったというから、歴史を掘り下げてみると面白そうだが。

越の湯(川崎市幸区古市場)さて、越の湯というからには新潟出身なのだろうか、聞かなかったが。1階はスーパーで、2階が銭湯。階段を上るとコインランドリーがあり、奥に銭湯の暖簾が下がっている。フロント式でロビーも備えているが、喫煙者なら階段わきのホールを休憩用に利用するとよいだろう。脱衣所には間仕切壁の上にテレビを設置し、ほかベンチや洗面台など。いたって普通。

越の湯(川崎市幸区古市場)浴室はかなり奥行があって、手前にはカランが、奥には湯船がずらりと並んでいた。入ってすぐ左手に水風呂、カランを4つはさんでカプセル風呂があるため、島カランは3-9といびつな配置。反対側の壁には立ちシャワー2つとカラン8つ。カプセル風呂はこのブログでさんざん紹介しているので、いまさら説明の必要はないと思うが、要するに小部屋の中に湯船が1つあるというもの。密閉された空間は、ノズルから吹き出すミストと湯船からの湯気でスチームサウナ状態であるが、下手したらのぼせてしまう。

ほかに湯船は2つあって、大きな方はショルダーマッサージ、寝湯ジャグジー、座湯ジャグジーを設けており、炭が袋詰めされて沈んでいる。温度計は44℃とやや熱めだが、「次の人のためにあまり水を埋めないように」との注意書きもある。湯船が大きいから水を埋めたところで気休めにしかならないが。このくらいの熱さを好むのは常連客なのか経営者なのか。もう1つの湯船は人参実母散の薬湯だが、足を入れるとびりびりとした刺激。お湯が茶色で見えなかったが、湯船の半分が電気風呂だった。こうした不意打ちはよくあることだが。

ビル銭湯だが天井は高く、湯船側は壁一面にモザイクタイルで宇宙が描かれていた。女湯はメルヘンチックな景色に虹がかかっていた。熱さだったり薬湯だったり、昔ながらの銭湯の雰囲気を残しつつ、いろいろな楽しみを盛り込んでいくところが、ビル銭湯の良さだと言えるかも。

越の湯(神奈川県浴場組合)
越の湯(川崎銭湯どっと混む)

越の湯
住所/川崎市幸区古市場2-105 [地図
電話/044-511-5959
交通/JR南武線鹿島田駅より徒歩12分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     サウナは別途300円
時間/15:00〜24:00、毎週水曜日定休