港南泉(横浜市港南区港南)港南区随一の繁華街といえば上大岡だが、上大岡周辺の銭湯はすでに姿を消し、現在は地下鉄港南中央の港南泉と笹下の関の湯のみ。今回紹介する港南泉は駅3分の好立地ながら、住宅地の一画にある。地下鉄の延伸が昭和51年とあって横浜市のなかでも新興地域だし、日野川で商業地と住宅地が分断されていることも理由か。そもそも駅を出てすぐに区役所、警察署、中学校、刑務所、鑑別所がある時点で、賑やかさとは縁遠いが。

港南泉(横浜市港南区港南)神奈川県浴場組合の個別ページには玄関先しか写っていないが、この玄関はあとから足したもので、屋根などを見ればレトロ銭湯の風情を残している。そしてもともと番台があったであろう部分をホールとし、その片隅に小さなフロントを設けている。地方の共同浴場でよく見る窓口スタイルだ。脱衣所は広く、テレビが置いてあるところは応接間といった感じ。

港南泉(横浜市港南区港南)浴室に入ると右手にサウナとカランが4つ、左手に小さな水風呂とカランが6つ、そして5-5の島カランが2列並び、奥に湯船が3つ並んでいる。サウナは無料。4帖半ほどの広さがあって乾式高温。

湯船は座湯のジャグジー、浅湯のバイブラ湯、そして日替わり湯。火曜〜木曜は「よもぎ」、金曜と土曜は「かじめ」、日曜と祝日は「ラベンダー」と決まっているようだ。訪れたのは金曜日だったので「かじめ湯」だったが、墨汁のような色をした湯船には袋詰めされたかじめが浮き、ほのかに磯の香りを漂わせていた。未経験の方はぜひ一度試していただきたい。

背景は章仙画(九谷鈴栄堂)のタイル絵。渓谷を描いたものだが、木々が赤く色づいた秋の景色。(赤は)赤字につながり、(葉が)落ちると縁起がよくないと言われているが、そんなこと関係なしとばかりに賑わっていた。

港南泉(神奈川県浴場組合)
港南泉(横浜市浴場組合)

港南泉
住所/横浜市港南区港南3-3-5 [地図
電話/045-842-5087
交通/横浜市営地下鉄港南中央駅より徒歩3分
     鎌倉街道(県道21号線)港南橋交差点より約140m
     ※無料駐車場9台分あり
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/15:00〜23:30(日・祝日は12:00〜23:30)
     毎週月曜日定休(祝日の場合は翌日)