塩原渓谷歩道塩原温泉郷は那須塩原市内を流れる箒川沿いに点在し、泉質の異なる11の温泉地の総称。1200年以上の歴史を持ち、田山花袋は『温泉めぐり』(1918)で塩原十一湯を「温泉郷」として記した。「私の考えでは、箱根、塩原、この二つが都会の人たちの行って浴するのに最も適したものであろうと思う」とある。箒川と国道400号線は並行しているが、観光客にとって東の起点は東北道西那須野塩原IC。西の起点は国道121号線の上三依で、東西に抜けようとするとその距離は約27km。広範囲に点在するので、湯めぐりは綿密な計画のもとで楽しみたい。

塩原温泉郷での日帰り入浴はホテルや旅館を利用することとなるが、福渡温泉と古町温泉に3ヶ所の混浴露天風呂、新湯温泉に3ヶ所の共同浴場がある。いずれも地元の人たちが管理する施設だが、100円〜300円の安さで利用できるとあって観光客の人気を集めている。今回は露天風呂だけを回ってきたので、順番に紹介したいと思う。

福渡温泉福渡温泉福渡温泉
福渡温泉福渡温泉岩の湯(栃木県那須塩原市塩原)

福渡(ふくわた)温泉は、塩原温泉郷のうち東から2番目に位置する。その手前の大網温泉は湯守田中屋の1軒しかなく、実質的に福渡はいちばん最初に目にする温泉街だと言える。といっても宿泊施設は大小10軒ほど。国道400号線沿いの福渡橋のすぐそばに無料駐車場(ガソリンスタンド隣)があるので、そこに車を置き、川沿いの遊歩道を東に歩いていく。しばらくすると公衆トイレの隣に「泡の湯」と消えかかったペンキで記された小屋があるが、ここはかつて共同浴場だったのだろうか。さらに行くと箒川の対岸、福渡不動吊橋のたもとに「岩の湯」がある。ちなみに対岸には民家がないため、岩の湯とその先の不動の湯の開放時間外は吊橋が閉門となる。

岩の湯(栃木県那須塩原市塩原)脱衣スペースというべきか、簡単な棚があって、そこと大きな岩のところは対岸や橋を渡る人の視線から隠れるようになっている。2つある湯船も手前は完全に岩陰になっているものの、奥は穏やかに流れる箒川を眺めながらの開放感。混浴だが水着やタオル巻き不可(塩原の露天風呂では共通事項)なので、女性には厳しいかもしれないが、湯船が2つあるだけマシかも。時間やタイミング次第か。

温泉は岩間を通したパイプから注がれているほか、湯船の底からも湧いている。やや緑色に濁っており、あふれたお湯は川に流れていく。手前の湯船のほうが温め。奥はやや熱めなので、対岸から見られることを覚悟で湯冷ましするような人ばかり。それを含めての開放感をぜひ体験してほしい。

岩の湯
源泉/福渡温泉(ナトリウム・カルシウム−塩化物・炭酸水素塩泉)
住所/栃木県那須塩原市塩原 [地図
電話/0287-32-4000(塩原温泉観光協会)
交通/東北道西那須野塩原ICより国道400号線で約13km
料金/200円
時間/6:30〜21:00

塩原温泉旅館組合

温泉めぐり (岩波文庫)
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