宮沢湖温泉喜楽里別邸(埼玉県飯能市宮沢)埼玉県内で温泉というと、ほとんどがスーパー銭湯仕様の日帰り温泉施設。埼玉県庁のホームページによると、近年の温泉ブームを背景に、100を超える温泉利用施設があるという(意外と多いぞ!埼玉の温泉!)。都市部、郊外ともに競争が進んでいるため、地域住民のみならず県外の温泉ファンを惹き付ける施設も多い。その中から今回は飯能市の宮沢湖温泉喜楽里別邸を訪ねた。

宮沢湖は小畔川を堰き止めた小さなダム湖で、夏はBBQ、冬はワカサギ釣りが楽しめるという。レーシングカーとの営業も行っているが、こちらは平日は閑古鳥。いまは宮沢湖イコール温泉なのかもしれない。喜楽里別邸は首都圏を中心に展開する湯楽の里グループの高級施設で、川崎の「溝口温泉喜楽里」(⇒記事)の2号店、つまり別邸として2009年5月にオープンした。入館は小学生以上としているため、静かにゆったりと過ごしたい人にはうってつけ。

フロントで初めて来た旨を告げると、利用案内の記された小さな紙を渡された。いちいち説明を聞かされるよりも、この簡略化はむしろありがたい。リストバンドは館内での飲食やマッサージなどのチェックに用い、退館時にまとめて精算する。館内着や岩盤浴着、フェイスタオル・バスタオルの入ったバッグを受け取り、脱衣所へ。その途中には食事処、屋外テラス、休憩スペースなどがある。

宮沢湖温泉喜楽里別邸パンフレット

浴室の特徴としては、スパ銭のお約束ともいえるジャグジーの類が1つもないこと。大衆店との差別化だろうか。室内にあるのは白湯と炭酸泉。後者については高濃度を謳っているぶん肩透かし感も否めないが…。そして室内には展望サウナ(窓が1つあるだけで展望と名乗るのはどうなのか)、塩サウナ、そして水風呂。地下1,500mから湧出した温泉を使用しているのは露天風呂。無色透明で泉質に特徴は感じられない。「展望露天風呂」と名付けられた湯船からは、枯木林の隙間越しに湖面を見下ろす。遠くに眺めるのは秩父の山並みのようだ。やはり新緑や紅葉の時期がベストかな、と思う。意外と高台にあるため、吹き抜ける風が心地よい。湯船は2段式のつくりで、上段は源泉かけ流し、下段は循環式。ほかに寝ころび湯もある。

2階を利用できるのは岩盤浴着を着た人のみ。リクライニングシートの並んでいるヒーリングルームなど休憩スペースもあるが、フロアの大部分を占めるのは「温熱房」という広い部屋。室内の中央には石積みの花壇のような形をした「火釜(プルガマ)」があって、トルマリンや熔岩石を熱している。その熱によって室内を暖めるという、モンゴル式のサウナルーム。そのプルガマを囲むようにして、1人用に仕切られた岩盤浴スペースがコの字型に並んでいる(岩盤は5種類ある)。右手側は2段式で下段はカプセルホテルのような作り。奥は男女別で薄暗くしている。初めのうちは室内・岩盤ともに物足りない感じの温度だが、時間が経つにつれじわじわと汗が出る。身体に負担がないため、とくに女性には人気だ。

岩盤浴や食事などを含めて長時間滞在型の施設だと言えるが、館内着で寛げるスペースが少ないかなぁ、と。例えば畳敷きのフリースペースなどが1室あると良いのだが。とはいえ「@nifty温泉」の2011年間ランキング(人気温泉ランキング)で堂々の第6位を獲得した理由はなんとなくわかる。遠からず近からずの距離でリゾート気分を味わえる、そんな日帰り温泉だ。

宮沢湖温泉 喜楽里 別邸
源泉/宮沢湖温泉(単純温泉)
住所/埼玉県飯能市宮沢27-49 [地図
電話/042-983-4126
交通/西武池袋線飯能駅よりバス10分「宮沢湖温泉」下車
     ※無料駐車場200台分あり
料金/ゆったりコース…タオルセット付き+温熱房&岩盤浴
     平日1,280円、休日1,380円
     ※夜間割引料金:平日・休日とも1,080円(18時以降)
     シンプルコース…入浴のみ(タオルセット付き)
     平日・休日とも1,000円
     ※夜間割引料金:平日800円、休日900円(18時以降)
     子供は平日840円、休日940円…入浴のみ(タオルセット付き)
     ※夜間割引料金:平日600円、休日700円(18時以降)
     ※小学生以上。未就学児利用不可
時間/9:00〜24:00、年中無休

湯楽の里・喜楽里総合案内サイト