弁天の湯<大薮共同浴場>(静岡県伊豆市土肥)西伊豆の土肥は土肥金山や恋人岬で知られる町で、夏は海水浴も楽しめる。温泉は金鉱試掘の際に湧出したのが始まりで、昨年開湯400年を迎えた。土肥温泉発祥の「まぶ湯」は安楽寺の境内に現存し、見学することもできる。旅館や民宿は土肥港の周辺に建ち並ぶが、温泉街という風情はあまりない。共同浴場は4軒あって、いずれも地元住民の利用が多いが、もちろん観光客の利用も可能だ。このうち港の北側にあり、大薮区公会堂に併設しているのが「弁天の湯(大薮共同浴場)」。平成11年12月に開設。港側には駐車場も備えている。

弁天の湯<大薮共同浴場>(静岡県伊豆市土肥)券売機でチケットを購入し、受付に提出する。館内の奥にはロビーもある。共同浴場としては高めの料金設定だと思うが、回数券10枚つづり3,000円というのは実質的に地元料金ということか。脱衣所は棚とカゴだけなので、心配ならば貴重品ロッカーの利用がおすすめ(昼間はほかに客がいなかったため利用しなかったが)。浴室にはカラン4つと湯船が1つ。窓を大きくとっているため明るい日差しが入ってくる。

弁天の湯<大薮共同浴場>(静岡県伊豆市土肥)源泉は無色透明だが、湯口は温泉の成分が白い湯花となって固化している。海を目の前した立地だが、塩分の濃さはあまり感じない。むしろ源泉をそのまま投入しているため、お湯の表面は熱くてたまらない。源泉は47℃あり、かなりの量があふれ続けている。受付のおじさんいわく「出しっ放しだからもったいない話だよ」。ちなみに内風呂だけは水で埋めてもよいらしい。

弁天の湯<大薮共同浴場>(静岡県伊豆市土肥)露天風呂は「一枚岩のくりぬき風呂」と「岩風呂」が、定休日を境に男女月替わりとなる。写真は岩風呂。露天風呂といってもバルコニーのようなつくりで、簡単なフェンスで目隠しされているが、風が感じられるぶんお湯の熱さがしのげるかも。

弁天の湯<大薮共同浴場>(静岡県伊豆市土肥)露天風呂からは港を正面に眺める。土肥の夏は通りもこの浴場も海水浴客で賑わうのかもしれないが、それ以外の季節はのどか。昼ならばのんびりとお湯に浸かることができる。

わかりやすい立地といい、浴室からの景色といい、土肥で1ヶ所だけ訪れるとするなら「弁天の湯」をおすすめしたい。

弁天の湯
源泉/土肥温泉(カルシウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉)
住所/静岡県伊豆市土肥61-3 [地図
電話/0558-98-1807
交通/国道136号線「土肥中浜」交差点より県道17号線で550m
料金/大人500円、小人300円、未就学児無料
時間/10:00〜20:30、毎月第2火曜日定休

弁天の湯(イズハピ)
伊豆市土肥観光協会
といに恋(土肥温泉旅館協同組合)
土肥温泉民宿組合