稲荷湯(東京都八王子市子安町)八王子市内にある銭湯は現在4軒。いつも国道16号を車で素通りしてしまうので、街を歩いたことはあまりないのだが、この日も時間的に「稲荷湯」だけの訪問となってしまった。南口はいわゆる駅裏であるが、大都市の中心部だけあって商業ビルとマンションが建ち並んでいた。稲荷湯は南口徒歩5分の好立地にあり、周囲は住宅街の雰囲気。なぜここを訪れようかと思ったかと言えば、『東京銭湯お遍路MAP』にて「17種類、1階温泉旅館風、2階南欧リゾート風」と紹介されているから。この手の銭湯はたいていカタカナの屋号が多いが、ここは昔ながらの「稲荷湯」を守り続けている。その点にも惹かれるものがある。

予想通りのマンション銭湯で、フロント周辺はビジネスホテルのようにきれい。券売機でチケットを購入し、下足箱とロッカーの鍵を引き換える。浴室は1階2階に分かれており、この日は1階が男湯。日替わりなのだろうか。「南欧リゾート風」が気になっていたのだが、こちらはまたの機会に。脱衣所には縦長と四角のロッカーがあり、こちらも清潔に保たれている。完全個室型の喫煙室があるのは愛煙家にも嬉しいところ。

浴室に入ると、左手にサウナ(別料金)と洗い場、右手に湯船が並んでいる。カランは櫛型に23箇所。いちばん手前と奥はホース式だが、ほかは固定式シャワー。4つずつ並んだ各列にシャンプーとボディソープの備え付けが1セットずつあるので、タオルだけ持参すればOK。室内に湯船は3つ並んでいるが、いちばん大きい湯船にはバイブラ、電気、座湯ジャグジー2人分、ボディマッサージ、ハイパワージェットと充実の設備。その隣の湯船は日替わり湯で、珍しい「黒酢」の入浴剤。酸っぱいにおいはしなかったが、健康になれそうな気分がする。そして扇形をした水風呂。さらに扉の外には露天風呂。これまた扇形をしており、緑のライトがバイブラ湯のぶくぶくを照らしており、なかなか幻想的だ。塀に囲まれてはいるが、顔を上げれば空を三角形に切り取った感じ。

といったわけで、「17種類」とは湯船ではなく設備を含めた数。その充実ぶりもさることながら、清潔な店内に好感が持てる。銭湯になじみのない若い世代にも受けがよいはず。もちろん立地の良さも魅力だ。

稲荷湯(東京都浴場組合)

稲荷湯
住所/東京都八王子市子安町1-27-20 [地図
電話/042-642-2825
交通/JR中央線・横浜線・八高線八王子駅南口より徒歩5分
     京王線京王八王子駅より徒歩10分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     サウナ別途200円
時間/14:00〜23:30、毎週水曜日定休(祝日の場合は翌日)