諏訪湖畔の温泉といえば上諏訪と下諏訪が有名だが、下諏訪温泉街の北にある「毒沢温泉(毒沢鉱泉)」にもぜひ足を伸ばしていただきたい。高台の住宅地から山へとさしかかるところに、宮乃湯、沢乃湯、神乃湯という3軒の旅館が点在している。いちばん営業熱心なのは「日本秘湯を守る会」に名を連ねている神乃湯か。宮乃湯、沢乃湯は民宿のような佇まいだが、沢乃湯は現在日帰り入浴を専業としている。

宮乃湯(毒沢温泉)沢乃湯(長野県下諏訪町星が丘)神乃湯(毒沢温泉)
(写真左から宮乃湯、沢乃湯、神乃湯)

沢乃湯(長野県下諏訪町星が丘)沢乃湯は一見すると民家のような外観。入口は手書きの貼り紙で目隠しされており、「沢乃湯ジェル」を積極的に売り出したいようだ。フロントのショーケースには、何やらよくわからない民芸品と著名人(?)の色紙が飾られている。廊下にはこれまた手書きの「御案内」と「入浴心得」。それによると、「信玄の隠し霊泉の源泉は、標高800米の内山地籍より湧出しています。信玄が金鉱採掘の際、ケガ人をこの湯に入れ治療したものです。飲用・浴用・外用にと3拍子揃いの比類なき神秘の薬水の所在を隠すため毒沢の地名を付けたと云われています。」

沢乃湯(長野県下諏訪町星が丘)浴室はとても鄙びていて素晴らしい。鉄分を含んだ黄土色の源泉によって、浴室の床や壁は変色がすさまじい。8帖ほどの空間に、2帖ほどの湯船が1つ、カランが3つ(シャワー付きは1つだけ)。湯船のお湯はぬるめで40℃くらい。ざらっとした肌ざわりだ。

コップで飲泉することもできるが、鉄サビのような苦味と強烈な酸味、そして炭酸味。はっきり言って不味い。「毒沢」の名に納得だ。源泉は泉温4.2℃、pH2.53、湧出量毎分7.5リットル。掛け流しで使用している点は大いに評価したいが、湧出量は心もとないような気がする。

沢乃湯(長野県下諏訪町星が丘)休憩室にはお茶のセットとペットボトルの水があった。しかしこの水は普通の水ではなかった。ラベルを見ると「金山の鉱泉」「毒沢鉱泉」。どうりで不味いわけだが、良薬口に苦しというし、もしかしたら湯治で訪れる人もいるのかもしれない。というわけでコップに注いだ分は飲み干したが。


沢乃湯
源泉/毒沢鉱泉(含鉄()−アルミニウム−硫酸塩泉)
住所/長野県諏訪郡下諏訪町星が丘7075 [地図
電話/0266-27-2670
交通/JR中央本線下諏訪駅より約2.8km
料金/大人500円(中学生以上)、小人250円
時間/10:00〜19:00(休憩室の利用は16:00まで)



(追記-2012/10/6)
いかす温泉天国(まぼろしチャンネル)にも記事を掲載しています。
「No.13 毒を以って毒を制す!?下諏訪の信玄隠し湯へ」
どうぞご覧ください!



(追記-2015/11/1)
廃業したとの情報をお寄せいただきました。