太平館(横浜市西区久保町)相鉄線西横浜駅を出ると、目の前には国道1号線。沿道にはマンションが建ち並んでいるが、市電が走っていた頃からこの辺りの中心地といえば藤棚町。商店街は藤棚浦舟通りの藤棚町交差点を起点にして東西に延びている。今回ご紹介する「太平館」は、藤棚町交差点の西側、サンモール西ヨコハマというこぎれいな商店街に面している。西横浜駅からだと国道1号線の神奈川日産の角を斜めに入り、久保町公園のわきを通ったほうが近道だが。二重の千鳥破風を持った伝統的銭湯の造りで、暖簾の下に見えるのは鯉の滝登りを描いたタイル絵。銭湯好きはこれだけでもわくわくする。

太平館(横浜市西区久保町)もとは番台のつくりだったのだろうが、現在はフロント式。小ロビーもあり。ロッカーの鍵を受け取ったら、脱衣所へ。折上格天井でゆったりとした広さがあり、ベンチ、扇風機、洗濯機を設置。店舗両側にもコインランドリー(うち1ヶ所は女性専用)を併設しているが、洗濯機の需要は多いのだろうか。

浴室に入って驚いたことといえば、洗い場のうち中央の島列はアクリル板で仕切った個別ブース式であることだ。まるでスーパー銭湯だが、じゅうぶんな間隔があって使いやすい。また、通路や湯船のふちには手すりもあり、伝統的銭湯でありながら現代感覚も併せ持っている。ちなみにカランは女湯との境側から6、5-5、7の配列で、外壁側の列のみ固定式シャワー。ほかはホース式シャワー。サウナは脱衣所に出っ張っており(脱衣所側には洋瓦を載せている)、別途100円。小さいが水風呂もある。

太平館(横浜市西区久保町)湯船は奥に3つ。浅湯と座湯ジャグジーは同じ大きさで、釜場への通路を挟んでちょっと小さい日替わり湯(黄緑色の入浴剤・バイブラ湯)。いずれも40℃ほどのぬるめだが、「熱いときは遠慮なくうめてください。皆さんのお風呂です」という貼り紙。なんて優しい銭湯なんだろう。ペンキ絵は早川師による西伊豆の景色で、朝焼けの富士山が女湯とにまたがって描かれている(H18.11.15の日付入り)。女湯との境壁は、灯台のある海辺の景色を描いたタイル絵。『さぁ、ヨコハマ銭湯へ行こう!』(横浜市浴場組合)によると、先代が新婚旅行で訪れた西伊豆の景色を特注したのだという。湯船の底にも鯉が描かれており、さすがは伝統的銭湯である。

客はおじさんばかりで半分ほどのカランが埋まっていたが、入れ替わるようにして引率者に連れられたちびっ子たちがやってきた。商店街に活気がある限り、太平館も賑わい続けていくことだろう。

太平館(神奈川県浴場組合)
太平館(横浜市浴場協同組合)

太平館
住所/横浜市西区久保町24-34 [地図
電話/045-231-8484
交通/相鉄線西横浜駅より徒歩5分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
    サウナ別途100円
時間/15:00〜22:30、毎週水曜日定休

神奈川県浴場組合ホームページの紹介ページには、営業時間15:00〜23:00(日祭日14:00〜23:00)とありますが、現在は上記の時間にて営業しています。

(追記-2016/8/16)
ツイッターなどの情報によれば、8/22をもって廃業するとのこと。