富士見湯(東京都昭島市中神町)多摩地区も国立や立川より西で、しかも青梅線となると一気に郊外のイメージ。昭島市には3軒の銭湯が営業しており、市境の西立川駅が最寄りの三光湯、東中神駅が最寄りの昭和湯、東中神駅と中神駅の中間に富士見湯。中心市街地の昭島駅やJRと西武線が乗り入れる拝島駅周辺には銭湯がない。

富士見湯は団地が建ち並ぶ一角にあり、広めの駐車場を備えた郊外型銭湯。屋号と並んで「コミカ風呂」の文字。わりと設備が充実した銭湯でたまに見かけるのだが、たぶん同じ業者が施工したのだろう。具体的な仕様についてはよくわからないのだが。(Yahoo!知恵袋の回答は見当違いだと思う)

まず気になったのは「タコ焼きやお好味焼きを持ち込まないでください」という注意書き。フロントの女将さんに聞いてみると、むかしは向かいにお店があったとのこと。いまは持ち込んでもいいらしいが、どこかで買ってきてまで脱衣所で食べる必要もないし。奥のロビーにはテレビとソファー、マッサージチェア、牛乳やビールなどが並んだショーケース、漫画の並んだ棚、そして給茶セット。脱衣所には自販機、喫煙所がある。

富士見湯(東京都昭島市中神町)浴室の雰囲気は看板の写真を参照のこと(見づらくて申し訳ない)。カランの数は間仕切り側から6+立ちシャワー1、6-7と7-7の島列で、いずれも固定式シャワーつき。

湯船は手前に寝湯(足を伸ばした感じの座湯)、ラドン湯(別料金・カプセル風呂みたいな感じ)。奥に低温(ショルダーマッサージ、電気風呂)、中温の円形風呂(バイブラ+ジャグジー)、高温(深湯)、外側に出っ張ってサウナ(別料金)と水風呂。低温とはちょっとぬるめ、高温とはちょっと熱めを意味する。背景はまるで水族館といった感じのタイル絵。

露天風呂は3帖ほどの大きさの石づくり。備長炭や宝寿湯などの日替わり薬湯を実施している。高い壁に囲まれているが、スペースとしては6畳ほどとゆったりしており、ベンチも2つ備えている。スピーカーからは演歌のBGMが流れており、こういった点も含めて郊外型銭湯の楽しさだと言える。

富士見湯
住所/東京都昭島市中神町1260 [地図
電話/042-541-2081
交通/JR青梅線中神駅より徒歩7分、東中神駅より徒歩8分
    都道59号八王子武蔵村山線より都営住宅東側へ
    ※敷地内に10数台分の駐車場あり    
料金/大人450円、中人180円、小人80円
    サウナ別途400円、ラドン別途200円
時間/15:00〜23:30、毎週火曜日定休

(追記-2016/2/2)
2016/1/23にリニューアルオープン
富士見湯(東京都昭島市中神町)(追記-2017/2/20)昨年1月のリニューアルでどう変わったのか、1年経っていまさらだが、富士見湯を訪ねた。昼12時から翌朝10時までという驚異の22時間営業を行っているが、せっかくなら客足がいちばん落ちるであろう深夜2時以降、終電もとっくに終わり、通りを歩く人の姿もない。リニューアル1周年を祝して紅白幕で飾られ、住宅地の中で場違いなほど煌々と明かりが灯る。駐車場には数台止まっており、ロビーにも客がちらほら。

富士見湯(東京都昭島市中神町)壁にはびっしりと6000冊の漫画と雑誌が並ぶ。こんな時間に読み耽っている若者は、なぜ家に帰らないのだろうか。マンガ喫茶で過ごす感覚か。それにしても雰囲気は一変。銭湯ならではの天井高を活かし、銭湯ではない空間を創りあげた。生ビールの提供もあるし、つまみやカップラーメンなども陳列棚に多数。キッズコーナーやマッサージチェアもある。

富士見湯(東京都昭島市中神町)浴室で目を惹くのはど派手な背景画だ。招き猫やクジラやチャウチャウ、何だかよくわからないけれど、サイケでポップな感じが素敵。深夜2時過ぎだというのに客足は絶えず、常に5〜6人はやって来るのだから需要はあるわけだ。地元客なのか、深夜営業を知って遠方から来たのか気になるところだが。そして、シビアなことを言えば、人件費と水光熱費支出は捻出できるのだろうか。それはともかくとして、町の銭湯でオールナイトの営業は実験とも言えるが、しばらくは注目を集めそうだ。

富士見湯(東京都昭島市中神町)富士見湯(東京都昭島市中神町)

富士見湯
住所/東京都昭島市中神町1260 [地図
電話/042-541-2081
交通/JR青梅線中神駅より徒歩7分、東中神駅より徒歩8分
    都道59号八王子武蔵村山線より都営住宅東側へ
    ※無料駐車場30台分あり    
料金/大人460円、中人180円、小人80円
    ※サウナ無料
時間/12:00〜翌10:00(入浴は9:00まで)
    毎週月曜日定休(月曜日10:00〜火曜日12:00)、祝日の場合は翌日休み