ふるさとの宿(厚木市飯山)飯山温泉は飯山観音下より小鮎川沿いに5軒の宿が点在する。このうち飯山観音に最も近く、参道入口の赤い橋(庫裡橋)を渡ったところにあるのが「ふるさとの宿」だ。飯山観音長谷寺は坂東三十三ヶ所の第六番札所として知られ、参詣がてら入浴に立ち寄る人も多いのではないだろうか。むかしは何という屋号だったのか調べてみると、昭和41年の時点で「ふるさと旅館」と言っていたようだ(市民かわら版-今昔あつぎの花街)。厚木の旧市街地は明治以降に花街として栄えたが、飯山にはいまでも数軒の置屋があり、地元では「飯山芸者」と呼ばれている。ふるさとの宿にも、もちろんコンパニオン宴会の宿泊プランがある。

ふるさとの宿(厚木市飯山)ふるさとの宿(厚木市飯山)

敷地内の庭園はお見事。池や水車小屋まであって野趣に富んでいる。またしても赤い橋を渡って玄関へ。フロントで料金を支払うが、いまホームページで確認してみると、入浴料は800円・タオルは200円。タオルを持参したのに、その有無を尋ねられることもなく1,000円取られたのだが…。脱衣所は棚しかないので、貴重品はフロントで預かってもらう。紙に名前と時間を記入するが、1時間の制限はこれで確認しているのだろう。

タイル張りの浴室は、室内の半分を湯船が占め、半分は洗い場兼露天風呂への通路。7つのカランが横一列に並んでいる。旅館の浴室としてはいたって普通。露天風呂のほうが風情があっていい。大きな石を積み上げ、高さ1mほどからお湯が流れ落ちてくる。湯船のまわりを植栽と竹垣風の塀が囲み、その向こうには雑木林が見える。欲を言えばもう少し塀を下げて開放感が欲しかったな、と。

無色透明のお湯は、pH10.4という国内屈指の強アルカリ泉。湯船では循環処理をしているため、個性があまり感じられないし、湯垢もちょっと気になった。しかし、源泉のらしさを実感するならばカランのお湯。すべすべした肌ざわりとかすかな硫化水素臭。パンフレットによると「当館近くの河川改修の際に出現した多量の火山灰層。その下に何かがあると、天啓を受けたごとく掘削を開始したところ、ついに当地唯一の天然温泉が滾々と湧き出しました」とのこと。というわけで、カランのお湯をさんざんかぶって浴室をあとにした。

ふるさとの宿
源泉/飯山温泉(単純温泉)
住所/厚木市飯山5547 [地図
電話/046-241-1106
交通/小田急線本厚木駅よりバス15分「飯山観音前」停すぐ
    国道246号線「市立病院前」交差点より県道60号線経由で約5.6km
料金/800円(1時間)
時間/11:00〜20:00

飯山温泉旅館組合
飯山芸妓置屋組合
厚木市観光協会


飯山観音飯山観音
飯山観音飯山観音
飯山観音長谷寺(ちょうこくじ)は真言宗の古刹。本尊の十一面観音像は縁結びに御利益があるという。春には約2000本のソメイヨシノが咲き、桜の名所としても知られている。