神の湯(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯)平湯温泉ではもう1軒「神の湯」という日帰り施設で入浴。温泉街の道端に立つ小さな看板が気になり、訪ねてみたのだが、温泉街の外れにある市営あかんだな駐車場の近くからさらに道を外れていった山の中。いきなりのプレハブ小屋につづいて、バラック風の建物が建ち並び、「朝めし定食」の文字が見える。立地といい雰囲気といい、山梨県の「ほったらかし温泉」(⇒記事)と似た空気感が漂っている。谷間を見下ろすと清流の小川が流れ、5月上旬だが残雪もまだ多い。この立地ゆえ冬は雪に閉ざされ、休業するのだという。

神の湯(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯)神の湯(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯)

平湯温泉は奥飛騨温泉郷最古の歴史を持つが、神の湯は平湯温泉発祥の地と言われている。武田信玄の飛騨攻めの際、疲弊しきっている軍勢を老いた白猿が温泉へと導いた、いうのが開湯にまつわる伝説。度重なる飢饉や災害で民衆の支えとなった不動明王が祀られている。それにしても素朴な風情で、左手に山の斜面、右手に小川を見ながら歩いていくと、手前から男湯、釜風呂・岩風呂(別料金)、女湯の順に並んで建っている。いずれも簡素な建物。脱衣所は棚と100円ロッカー。岩風呂には2ヶ所から滝のようにお湯が注がれており、湯船のお湯は若干青白く見えるが、お湯につかると薄茶色にも。細かくて白い湯の花が舞っている。

神の湯(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯)神の湯(岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯)

背後には山の斜面が迫り、山のてっぺんには源泉があるのかパイプが下りてきている。真正面には雑木林の山を眺める。山の自然に囲まれた雰囲気がいい。秘湯の雰囲気とでもいうべきか。新緑や紅葉の時期は、すばらしい眺めを満喫できるはず。温泉についていえば、平湯温泉とはいえ「平湯の湯」(⇒記事)とは印象が異なり、好みが分かれるところ。違いを実感してみてほしい。

平湯温泉旅館協同組合
奥飛騨温泉郷観光協会
高山市観光情報(高山市観光課)
岐阜県温泉協会

神の湯
源泉/平湯温泉(ナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉)
住所/岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯 [地図
電話/0578-89-3448
交通/長野道松本ICより国道158号線経由で約1時間
    東海北陸道飛騨清見ICより中部縦貫道・国道158号線経由で約45分
料金/大人500円、小人300円
時間/7:00〜18:00(時間変更あり)
    不定休(11月中旬〜4月中旬は休み)