浅間温泉は松本の奥座敷として知られ、松本城から北東に約3.5km(松本駅から約4.5km)の距離にある。約1000年の歴史があり、発見した豪族・犬飼半左衛門にちなんで「犬飼の湯」と呼ばれていたという。江戸時代には松本藩主の御殿湯(現在の枇杷の湯)、武士専用の湯(現在の倉下の湯)、庶民の湯が設けられた。現在は20数軒の旅館が建ち並び、城下町観光とあわせて訪ねる観光客が多い。誰でも利用できる共同浴場は3軒だが、ほかに地元住民専用の施設も。また、日帰り客に開放している旅館も多い。

仙気の湯(長野県松本市浅間温泉)今回訪れたのは「仙気の湯」という共同浴場。昨年は福島市の飯坂温泉でも同じ名前の共同浴場を訪ねたが(⇒記事)、「仙気(疝気)」とは漢方用語で下腹部の疼痛を意味し、身体を温め、血行をよくすることで痛みが緩和されると言われている。ここ浅間の仙気の湯は江戸時代からの歴史を持ち、現在の建物は平成元年に建てられた。浅間温泉創成会が運営する施設で、2階は公民館(創成会館)として利用されている。

仙気の湯(長野県松本市浅間温泉)玄関先の券売機でチケットを購入。下足箱の鍵は外されていたが、脱衣所のロッカーも同様。「鍵と錠をお貸しします」と書いてあるので、番台のおばちゃんに頼むと、「あまり数がないのよねぇ」と言いながら南京錠を貸してくれた。小さな錠前なので、当然鍵も小さく、しかも手首に巻くゴムもない。といったわけで、錠前をかけ、番台に鍵を預けて入浴。浴室はカラン4つと小さな湯船1つ。こじんまりしているが、地元客が多いようで回転は早い。お湯は無色透明で、かけ流し。居合わせた若者グループから「熱い、熱い」という声が聞こえてきたが、大騒ぎするほどの熱さではない。湯口の源泉はコップで飲むこともできる。クセがなく、白湯を飲んでいる感じ。仙気の湯では、4つの源泉の混合泉を200m先から引いているという。

浅間温泉観光協会
浅間温泉旅館協同組合
松本観光コンベンション協会
新まつもと物語(松本市公式観光情報ポータルサイト)

仙気の湯
源泉/浅間温泉(単純温泉)
住所/長野県松本市浅間温泉3-4-22 [地図
電話/0263-46-5553
交通/JR篠ノ井線・大糸線・アルピコ交通(旧松本電鉄)松本駅よりバス約20分
    「湯坂」停徒歩1分
    中央道松本ICより約7km
料金/大人250円、小学生以下無料
時間/6:30〜20:00、毎月第2・4水曜日と年末年始定休

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浅間温泉の日帰り温泉施設

湯々庵枇杷の湯
住所/長野県松本市浅間温泉3-26-1 [地図
電話/0263-46-1977
料金/大人800円、子供500円(4歳〜小学生)
時間/9:00〜21:00、毎週月曜日定休(祝日の場合は翌日)
※松本藩主の御殿湯として400年の歴史を持つ。駐車場30台分あり

ホットプラザ浅間
住所/長野県松本市浅間温泉3-16-3 [地図
電話/0263-46-6278
料金/大人630円、小人350円(小・中学生)、小学生未満無料
時間/10:00〜24:00、毎週火曜日定休(祝日の場合は翌日)
※浅間温泉旅館組合が運営。駐車場40台分あり

浅間温泉の共同浴場

港の湯
住所/長野県松本市浅間温泉1-21-10 [地図
電話/0263-46-1800
料金/大人200円、小学生以下100円
時間/6:30〜20:30、不定休
※温泉街入口にある

倉下の湯
住所/長野県松本市浅間温泉3-28-15 [地図
電話/0263-46-1402
料金/大人200円、小学生以下100円
時間/6:30〜20:00、不定休
※江戸時代は武士専用の湯として使われていた

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ブログに掲載した記事
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