燕湯(東京都台東区上野)東京に数ある銭湯のうち、文化庁の「登録有形文化財」として登録されているのは、台東区上野にある燕湯だけ。雑居ビルが建ち並ぶ一画にあり、街自体も風情があるようには感じないし、燕湯もまた同様。東京の銭湯らしい宮造りのどっしりとした構えを想像していたが、間口は狭く、両隣のビルとは外壁をほぼ接している。とはいえ、玄関の入母屋破風、通りへと伸びる大きな木が、この一帯では独自の雰囲気を醸し出している。

燕湯(東京都台東区上野)昭和25年の建築で、国指定文化財等データベースによると、「道路に西面して建つ間口5間半奥行4間の木造2階建で、背面に平屋建浴室、RC造釜場を付設。正面中央に入母屋屋根の下足場を付け、1階は男女の脱衣場、2階は座敷とする。浴室は梁行中央2間半を建ち上げ湯気抜窓を設ける。RC造煙突が銭湯を象徴付ける」とのこと。

朝風呂を毎日やっている銭湯(平日は昼間に休憩時間を設けている)として希少な存在で、都心の立地ゆえ観光客の利用も多いようだ。玄関先に花を活けており、女将さんの心遣いが感じられる。番台式で、脱衣所はクラシカルな折上格天井。室内の真ん中と壁側にロッカーを配置。新聞を読みながら風呂上りのひとときを過ごす客など。文化財とはいえ、脱衣所での光景はよその銭湯と変わらない。

燕湯(東京都台東区上野)浴室は手前に6、6-6、8の列でカランを設置(島列にはシャワーはない)し、奥に湯船を配置している。目を惹くのは2〜3mほどの高さで積み上げられた岩山。かつては滝となってお湯が流れていたのだろう。富士山を描いたペンキ絵もある。中島盛夫師によって、今年3月1日に描き替えられたもので、詳細はお弟子さんのブログ「銭湯ペンキ絵師見習い日記」にて。お湯が熱いことでも知られているそうだが、温度計は46℃を指していた。それほど熱いとは感じなかったが。月に1回程度(?)イベント湯を開催しているようだ。

燕湯(東京都浴場組合)
燕湯(国指定文化財等データベース)

燕湯
住所/東京都台東区上野3-14-5 [地図
電話/03-3831-7305
交通/JR山手線・京浜東北線御徒町駅南口より徒歩4分
     都営地下鉄大江戸線上野御徒町駅より徒歩5分
     東京メトロ銀座線上野広小路駅より徒歩4分
     東京メトロ千代田線湯島駅より徒歩5分
     東京メトロ日比谷線仲御徒町駅 徒歩7分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/(火〜金)6:00〜21:00 ※12:00〜15:00は休憩
     (土日祝)6:00〜21:00 ※休憩なし
     毎週月曜日定休

[湯シュラン(9)]燕湯 〜迫力満点!これぞ岩風呂なり(Walkerplus)
燕湯(上野・浅草ガイドネット)