千代田湯(横浜市神奈川区六角橋)東横線白楽駅を出ると、どこからか揚げ物のにおいがした。戦後にバラック市として発展し、六角橋商店街とその裏手の仲見世通りには個人商店が数多く軒をつらね、庶民的な風情を残している。また、神奈川大学のお膝元でもあるため、若者の活気にもあふれている。白楽では猫企画さんを訪ねたのだが、もちろん帰りには銭湯でひとっ風呂。千代田湯は猫企画さんの2軒駅寄り、駅からは150m足らずの好立地。細い路地の奥に建っているので気づきにくいが、二重の千鳥破風が印象的なレトロ銭湯だ。創業は昭和33年だという。

番台には白髪のおばあさん。脱衣所にはロッカーが2列。格子の天井で、頭上からは扇風機が吊るされている。旧式の体重計や「職方一同」から寄贈された柱時計がシブい。

千代田湯(横浜市神奈川区六角橋)浴室は手前に洗い場、奥にL字型に湯船が配置されている。カランは外に面した側に6つ、女湯との間仕切り側に7つと立ちシャワー1つ。真ん中は4-4で、湯船側のみ六角形になっており蛇口のみ5つという列。ベンチ代わり?六角橋に引っ掛けて六角形だったら洒落がきいてるな、と。湯船は座湯ジャグジーとバイブラ湯、深湯。釜場への通路を挟み、日替わり薬湯。訪れた日は「道後の湯」だったが、毎週水曜日だけは実母散と決まっているようだ。

千代田湯(横浜市神奈川区六角橋)ペンキ絵は2010年5月28日に描かれたもの。男湯は湖畔に浮かぶ富士山で、女湯は渓流。中島盛夫師の作。千代田湯のホームページ、お弟子さんの田中みずきさんのブログ「銭湯ペンキ絵師見習い日記」に制作過程が紹介されている。

千代田湯では奇数月に、若手落語家を招いて銭湯寄席を開催している。商店街では「ドッキリヤミ市場」と称し、フリーマーケットやプロレス、大道芸などのイベントを定期的に開催している。シャッターを閉めている店舗も多いというけれど、横浜を代表する商店街として、今後ますますの賑わいに期待したい。今回は千代田湯の閉店間際だったので、次回はゆっくりと訪れてみたい。

千代田湯(神奈川県浴場組合)
千代田湯(横浜市浴場共同組合)

千代田湯
住所/横浜市神奈川区六角橋1-7-20 [地図
電話/045-432-2783
交通/東急東横線白楽駅より徒歩2分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
時間/14:00〜23:00、毎週金曜日定休

六角橋商店街





(追記-2012/5/5)ペンキ絵を5/4に塗り替えたとのこと。

(追記-2017/5/25)ツイッターでの情報によれば、5/20をもって廃業したとのこと。