福乃湯(横浜市南区宿町)蒔田は関内と上大岡の中間に位置し、鎌倉街道沿いに広がる住宅地。小規模から中規模のマンションが多く建ち並んでいる。地元では有名な「大山ねずの命神示教会」という宗教法人のお膝元で、駅周辺には施設が点在している。そのうちの1つ、光寿会館の角を曲がると、福乃湯が見えてくる。通りの角にあって、目の前の大きな2段式駐車場も同法人の専用施設だ。儀式等の行事のある日には蒔田の町に信者が多数訪れるのだろうけど、普段の日は人通りも少ない。

なんといってもクラシカルな外観。玄関先の腰高までのタイルは、デザインといい色合いといい渋くて素敵。そして、暖簾をくぐると番台式銭湯の庶民的な空間が広がっている。ロッカーの鍵は下足箱の鍵と引き換え。脱衣所の壁側と真ん中に背の高いロッカーが設置され、番台のおばちゃんは小さなカーブミラーで室内の様子をうかがう。いまどき珍しい瓶のジュースの自販機、旧式のマッサージチェアがここでは現役。通り側にせり出した庭の部分にはデッキが設けられていたような…。

浴室は手前に洗い場、奥に湯船。カランは間仕切壁側に7、島式鏡あり5-5、島式鏡なし5-5、壁側6つという配置で、両サイドにのみ固定式シャワーが付いている。客は数人いたが、おのずとシャワーのある箇所に集中するが。間仕切壁にはタイル絵が描かれているが、円形プールのある洋風庭園という珍しい風景。2つある湯船はいずれも曲線をなしており、浅くて大きい方は隅っこだけ岩風呂風の趣。お湯は岩から出ている。底のタイルはあちこち補修跡あり。もう1つは深くて、日替わり湯を実施。訪れた日は「レモン」の入浴剤。お湯はぬるめだがしっかり温まる。背景画として富士山が描かれているのだが、痛みが激しくて全景がよくわからなくなっている。

帰り際に番台のおばちゃんから「気持ちよかったでしょ。顔を見りゃわかるよ」と声を掛けられた。「夏は5分、冬だって10分も入ればじゅうぶんよ」「室内は高窓で湯気を逃がしているって言ったって、中にいるだけでよくあったまるでしょ」。最後には「それだけ汗かけば上等博覧会だよ(笑)」。気さくなおばちゃんが印象的な庶民派銭湯だ。

福乃湯(神奈川県浴場組合)
福乃湯(横浜市浴場協同組合)

福乃湯
住所/横浜市南区宿町3-64 [地図
電話/045-741-3417
交通/横浜市営地下鉄蒔田駅より徒歩2分
料金/大人450円、中人180円、小人180円
時間/15:00〜23:00、毎週金曜日定休(祝日の場合は営業)

(追記-2013/2/5)
2013/1/31をもって廃業しました。

福乃湯(神奈川県浴場組合)
神奈川県浴場組合ホームページより

福乃湯(横浜市南区宿町)福乃湯(横浜市南区宿町)福乃湯(横浜市南区宿町)
※2013/4/10に撮影