母校・東海大相模が甲子園進出を決めた数日後、僕は高校の友達と居酒屋で会ったのだが、その席上で「8/11はやっぱり甲子園に応援に行くべきだろう」という話になった。今回のメンバーは3人。僕らは高校1年のときのセンバツで応援に来ているから、実に19年ぶりの甲子園だ。お互いに仕事をやりくりし、そして新幹線やホテルの手配は友達に託し、当日は新横浜駅で合流した。12時には新大阪着。大阪(梅田)から阪神電車に乗り換えたら、わずか10数分で甲子園駅に到着。駅を降りたら観戦土産を扱う店、タイガースのオフィシャルショップが並び、阪神高速の高架をくぐると目の前に甲子園球場。市街地からのアクセスの良さは抜群。プロ野球となれば阪神ファンが多数詰め掛ける理由がよくわかる。

甲子園球場甲子園球場甲子園球場

東海大相模と茨城県代表水城高校の対戦は第3試合。グッズショップなどを冷やかした僕らはとくにやることもない。「それじゃ第2試合の仙台育英×開星でも観るかー」ということになり、せっかくならばと外野席へ。プロ野球ならプラチナ級と言えるが、高校野球は無料で観戦できる。しかし、高校野球ファンと思われる観客で8割方埋まっていた。座席は背もたれのない長椅子タイプで、神宮球場よりも1席が小さい。しかもカンカン照りであったため、座席自体が熱く、タオルを下に敷かないと座っていられない。第2試合は開星が終盤に2点を勝ち越し、そのまま勝利するかと思われたのだが…。

僕らはアルプススタンドのチケットを購入したので、第2試合が最終回を迎えたところでいったん外へ。OBや父母会などですでに長蛇の列ができていた。第2試合はなかなか終わらない。携帯のワンセグ放送などで確認していた人の情報によると、最終回に仙台育英が追いつき、そして逆転したというのだ。しかも、試合終了と思われた瞬間にまさかの落球、その裏の開星の攻撃では再逆転のタイムリーかと思われた打球をダイビングキャッチ。ドラマチックな結末だ。しばらくして入場開始となるが、スタンドは超満員となり、ようやく席にありつけたのは開始の10分前だった。

東海大相模×水城東海大相模×水城
水城高校アルプススタンド東海大相模×水城

東海大相模の先発はエース一二三くん。サイドスローに転向して制球力が増したとはいうが、課題山積であることは県大会でも実証済み。この日も四球で出したランナーがボークと犠打で進塁し、そしてタイムリーをくらって1点先制されるという悪い流れ。守備の間は「我慢、我慢」と自らに言い聞かせるも、いつになったら良くなるの〜?そんな展開。毎回四死球でランナーを出すもんだから、水城高校はそのたびに犠打で送り、後続でタイムリーを狙う。セオリーどおりの固い野球だ。しかし点を取られたら取り返せばいい。1点でも多く点を取る野球、しかも上位下位関係なくフルスイングで打ちまくる野球、それが東海大相模の持ち味だ。

東海大相模アルプススタンド東海大相模アルプススタンド

初回に1点を先制されたその直後の2回表、染谷くん、伊地知くん、渡辺くん、伊集院くんにタイムリーが出て、一挙4得点! 3回裏は四球からタイムリーで1失点するも、4回表には伊集院くんのタイムリーでさらに2得点。しかしその裏に死球からタイムリーで1失点。この一連の流れでおわかりだろうか。なかなか大きくは突き放せないのだ。それでも6回表には相手送球エラーで1得点、7回表には一二三くん自らのタイムリーで1得点し、徐々に東海大相模が圧倒的優位に試合を進め、さらにこの試合いちばんの盛り上がりといえば、9回表に飛び出した一二三くんの左中間への2ランHR! これまで四死球8つと乱調のピッチングを帳消しにする、とまではいかないが、一瞬でも忘れさせてくれる素晴らしいダメ押し弾であった。一二三くんは4安打3打点。自己採点では「打つほうは100点、投げるほうは50点」。8回2/3を投げ、残り1アウトを背番号11の中島くんに託す。

東海大相模×水城いきなり四球、そして死球。そのあとタイムリー2発。試合を終わらす気がないのか?というくらい長く感じた時間だが、最後は空振りの三球三振で締め、10-5で東海大相模が勝利! 「悪いなりにも全員野球で打ち勝った」とでも言えばよいのだろうか。34年ぶりに夏の大会を勝利し、ホッとしたというのが本音。最後はアルプススタンド総立ちで校歌斉唱。東海大相模の強さはこんなもんじゃないと信じてる。試合を重ねるごとにもっと強さを見せ付け、頂点を目指してほしい。次の試合は16日の土岐商戦。絶対勝つぞ!東海大相模!


♪T・O・K・A・I 東海相模!


♪喜びの歌〜 さぁいま歌おう〜 勝利を導く○○ホームイン!