華咲の湯(静岡県浜松市西区舘山寺町)静岡県西部を代表する温泉地といえば、浜名湖の北東岸に位置する舘山寺温泉が有名だ。空海によって810年に創建された古刹・舘山寺のすぐそばに19軒のホテルと旅館が建ち並んでいる。温泉地としての歴史は浅く、開湯は昭和33年だというが、遊園地「浜名湖パルパル」や浜名湖の景色を一望するロープウェイなど観光地としての魅力もじゅうぶん。そんな舘山寺温泉にあって、静岡県内最大規模の日帰り温泉施設を自称するのが「華咲の湯」だ。

ホテルウェルシーズン浜名湖に併設する施設で、運営するのは遠州鉄道グループの遠鉄観光開発。華咲の湯の背後には8階建てのホテルがそびえ立っており、宿泊者は専用露天風呂もあるのだが、華咲の湯を無料で利用することもできる。華咲の湯とホテルは昨年6月に同時オープンしたが、ホテル自体は「遠鉄ホテルエンパイア」(昭和47年オープン)が前身。ナイアガラの大浴場を名物とし、のちに空中露天風呂を設けるなど、舘山寺温泉を代表するレジャーホテルだったに違いない。こうした歴史を踏襲しつつも、日帰り温泉施設を備えてレジャーの多様化にマッチすべく生まれ変わったというのが実際のところだろう。

駐車場からの長〜いスロープを上がった先にエントランスがある。ホテル併設施設だけあってフロントはゆったりとしており、スタッフの対応も紳士的。訪れたのはレイト料金の時間帯だったので、浴衣の館内着は付いていない。浴室はコンセプトの異なる2ヶ所に分かれており、移動するために服を脱ぎ着する必要があるし、1日のんびり滞在するなら浴衣のほうが楽だろう。結局、今回は浴衣を借りなかったので、フロントでは館内の飲食精算に使用するリストバンド、タオルとバスタオルの入ったバッグを渡された。施設の延べ床面積9,951屐箆天風呂エリア面積2,026屐砲箸魯團鵑箸海覆すさだが、館内図や看板を頼りに移動する。



「石景の湯」「桧香の湯」は和風のコンセプトで、ひと月ごとに男女交替制。訪れたのは2月中旬なのだが、そのときは男湯が石景の湯(ということは偶数月が石景の湯ということではないか)。しかしチラシの記載では、石景の湯が女性専用ということになっている。いったい何が本当なのかわからないが、ここでは石景の湯について紹介したい。浴室内と露天に1つずつ大きな湯船があり、とくに浴室内の湯船は岩風呂を名乗っているが、実際はタイル仕上げ。アクセントとして岩を配しているだけに過ぎない。そしてこれらは「白金の湯」と名づけられており、循環ろ過を施した無色透明のお湯。それに対して露天スペースの一角にある五角形の湯船だけは茶褐色のお湯で、「黄金の湯」と名づけられている。華咲の湯で唯一の源泉かけ流しだ。しかし明らかに色が異なるとなれば、それは循環ろ過による結果ではなく、泉源自体が異なるのだろうか。黄金の湯ではすべすべの肌ざわりを実感することができ、舐めてみると苦味と塩辛さが感じられる。露天スペースはけっして広いとはいえないが、植栽と照明の調和の具合は見事としか言いようがない。黄金の湯はそこだけ独立した感じであるため、静かにのんびりと温泉を満喫することができる。

「ダイダラボッチの湯」は雰囲気がうって変わって、コンセプトはカナディアンリゾート。内風呂や露天風呂にはジェットバスやバイブラ湯などが並ぶ。ジャグジーの設計がいまいちで、座り心地が悪かったり噴流がかかとに当たったりするのは、機能よりも見てくれを重視した結果か。半身浴の湯船の場合、通常よりも湯温を若干ぬるめに設定すべきだが、ここではむしろ熱め。そして半身浴なら胸より低いくらいの湯量でじゅうぶん。露天スペースには幅1mほどの小川が流れており、その向こうにログハウスがあって、その室内は低温サウナ。そして、浴室内にはスチームサウナもある。露天スペースは一段低くなっており、浴室内の大きな湯船からも外を一望するが、湯船ごとに屋根が設けられているため、開放感はやや欠ける。すべての湯船で循環処理を施しており、無色透明のお湯。塩素臭が漂うのは仕方のないことか。ダイダラボッチとは、日本各地に伝わる巨人伝説のこと。舘山寺周辺でも何かしらの伝説が残っているのだろうか。「遠鉄ホテルエンパイア36年の歴史」によると、ダイダラボッチの湯がオープンしたのは平成14年のこと。ここだけを残してホテルを建て替え、そして華咲の湯の一部として付け加えた、ということだろう。

といったわけで、風呂の総数25ヶ所(内風呂7ヶ所、露天風呂12ヶ所、水風呂2ヶ所、サウナ4ヶ所)、総面積7,925屬箸里海函いまいちこの広さが伝わらないと思うが、静岡県内最大級というわりには浴室の占める割合が低いように思うが、2ヶ所に分かれているから余計にそう思うのかも。1階にはテレビつきリクライニングチェアの並ぶリラクゼーションエリア、エステサロン、卓球などのあるプレイルームがある。また、2階には食事処3ヶ所のほか、カラオケ、仮眠のできる寝ころび処などがある。舘山寺温泉といえば名の知れた温泉地ではあるが、1日のんびりとできる施設としては貴重な存在だ。浜名湖観光とセットにするもよし、浜名湖パルパルとセットにするもよし、温泉プラスアルファの楽しみ方はあなた次第だ。

華咲の湯
源泉/舘山寺温泉
     (石景の湯・桧香の湯:ナトリウム・カルシウム−塩化物泉)
     (ダイダラボッチの湯:ナトリウム・カルシウム−塩化物強塩泉)
住所/静岡県浜松市西区舘山寺町1891 [地図
交通/JR東海道本線浜松駅北口よりバス約50分「舘山寺温泉」停徒歩1分
   東名高速道路浜松西ICより県道48号線(舘山寺街道)で約15分
料金/(月〜金)大人1,365円、小学生840円、3〜5歳840円
     (土日祝)大人1,785円、小学生1,050円、3〜5歳1,050円
     (レイト料金)大人1,050円、小学生630円、3〜5歳630円
     ※タオル・バスタオル・館内着つき(レイト料金を除く)
     ※土日祝には1ドリンクサービスあり(ソフトドリンクのみ)
     ※レイト料金は17:00以降、館内着は別途210円
時間/(月〜木)10:00〜21:00
     (日金祝)10:00〜22:00
     (土曜日)10:00〜23:00
     ※いずれもダイダラボッチの湯は11:00〜

浜名湖かんざんじ温泉観光協会