政之湯(川崎市川崎区南町)政之湯は川崎駅からいちばん近い銭湯だ。かつてご紹介した富士見湯→記事)は西口の庶民的な商店街のなかにあったが、政之湯はきらびやかなネオンまたたく繁華街のなかにある。さいか屋前の新川通りを小土呂橋交差点で右へ。カプセルホテルを併設したサウナ「川崎ビッグ」の角をこんどは左へ。この先の細い通りは「政之湯通り」というのだから、この銭湯が刻んできた歴史や存在感は言わずもがなだ。しかしこの通りの雰囲気といったら、明らかにいかがわしい。俗に南町ソープ街と言うらしく、1つ目の路地で右に曲るが、政之湯の2軒隣もいわゆる特殊浴場。昼は人通りが少ないが、夜になれば雰囲気が一変する。川崎区在住の後輩によると「駅前でもっともディープなエリア」なのだとか。

政之湯(川崎市川崎区南町)会社帰りのサラリーマンの来店も多いが、自転車で訪れるおっちゃんの姿もちらほらあり、庶民的な銭湯の雰囲気をも感じさせる。2階では「サウナ立山」を兼業しており、フロントのわきに専用の階段がある。こちらは利用料1,300円。どんな雰囲気、客層なのかを確かめるべく、いずれは訪問しなければならないだろう。フロントでは下足箱の鍵とロッカーの鍵とを引き換え、脱衣所へ。壁際には洗濯機3台と乾燥機2台が並び、テレビを見ながら休憩している人の姿も。フロントの正面にもテレビとソファの小ロビーはあるのだが。

政之湯(川崎市川崎区南町)訪れたのは平日の19時頃。ちょうどピークの時間帯なのか、決して広いとはいえない浴室は、多くの客でごった返していた。カランは4、6-6、5の列で並んでいるが、そのほとんどが埋まっていた。身体を洗ったら洗面道具をさっさと片付けて、次の客に譲るような状況。みんながお湯を使うもんだから、バシャバシャという音だけが響き渡っていた。

湯船は浴室の奥にある。ボイラー室への扉を隔てて左手に温泉を使用している湯船、右手にそうでない湯船が並んでいる。温泉は茶褐色で透明度は50cmほど。湯量の少ないぶんは加水しているそうだ。塩素消毒を行っているが、かすかな油臭もあり、つるつるの肌ざわりを実感できた。小さなバイブラ湯の隣には1人分の寝湯もあって、ここでくつろぐのも贅沢な気分。脱衣所に掲げられた効能書きは昭和31年のもので、黒崎政吉の名が記されている。政吉だから政之湯という気もするが、実際のところはどうなのだろうか。

温泉でないほうの湯船は座湯ジャグジーとバイブラ湯、寝湯ジャグジー。出入口わきにはサウナ(別途料金)と小さな水風呂もある。銭湯の湯船としては一般的な大きさなんだけど、客の数を考えればもっとゆとりがほしいなぁというのが率直な気持ち。ジャグジーですでに定員3人なわけだから。それでも温泉→水風呂、ジャグジー→水風呂といった具合に堪能したが、皆さんの動向を観察していると、意外と回転が早い。ひとっ風呂してから帰宅するのか、飲みに行くのだろう。活気ある銭湯はいまどき珍しい。銭湯全盛の時代はどこもこんなに混み合っていたのかな?なんて思ってみたり。政之湯がある立地といい、店内の雰囲気といい、なかなかの濃さであるが、これも川崎という町の個性なのだろうか。駅から近くて利便性抜群なので、川崎を訪れたときにはぜひ立ち寄ってみてほしい。

政之湯(神奈川県浴場組合)
政之湯(川崎銭湯どっと混む)

政之湯
源泉/川崎天然温泉(ナトリウム−炭酸水素塩冷鉱泉)
住所/川崎市川崎区南町2-4 [地図
電話/044-222-3256
交通/JR川崎駅東口より徒歩5分
     京急川崎駅より徒歩9分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     ※サウナは別途200円
時間/14:30〜25:00、毎月21日定休

※2階の「サウナ立山」は入浴料1,300円。営業時間は14:30〜24:00