横浜天然温泉くさつ(横浜市南区井土ヶ谷上町)横浜や川崎には黒湯の温泉を楽しめる銭湯がたくさんあるけど、屋号に「横浜天然温泉」をつけちゃうあたりずるいなと思うのが、この銭湯。かつては草津湯という屋号だったが、平成16年にマンションに建て替え、その2階にて営業している。銭湯としては珍しく、独自にパンフレットを作成して配布しているから、きっと温泉目当ての客もしばしば訪れるのであろう。外観からして町の銭湯とは一線を画している。玄関は1階にあって、下足箱に靴を入れたら階段またはエレベーターで2階へ。券売機にて料金を支払い、下足箱の鍵と脱衣所ロッカーの鍵とを引き換える。フロントわきには軽食コーナー、エレベーターわきにはマッサージチェアの並んだ休憩コーナーを設けている。

横浜天然温泉くさつ(横浜市南区井土ヶ谷上町)浴室は男女日替わり。つくりは左右対称で、異なる点といえばジャグジーなどの湯船の配置と、独立して設けられた湯船が岩風呂なのか桧風呂なのかということ。スーパー銭湯をこじんまりとした雰囲気で、洗い場はどちらの浴室も26〜27のカラン(固定式のシャワー付き)と立ちシャワーが1つか2つ。風呂桶と椅子はカランの前にあらかじめ置いてあるが、それがかえって雑然と感じにしている。訪れたのは平日の21時頃だったが、会社帰りのサラリーマンを中心としてとにかく客は多い。なので銭湯にはよくある場所取りはもってのほか。持参した洗面道具は棚に置くのが常識となっている。

横浜天然温泉くさつ(横浜市南区井土ヶ谷上町)今回は直近に訪れた左側(桧風呂のある方)の浴室をご紹介したい。湯船はまず直径2mほどの円形バイブラ湯。そして10帖分はある大きな湯船は、その半分にハイパワージェット・ボディマッサージ・電気風呂をまとめ、もう半分のうちの壁側を寝湯っぽく仕上げている。これらは温泉ではないが、これだけでも銭湯としてはじゅうぶん過ぎる広さと設備だ。そしてこの2つの湯船に挟まれて温泉の湯船がある。真っ黒のお湯は透明度5cmほどで、かすかに油臭。そしてさらさらの肌ざわり。45℃弱でちょっと熱めなのも銭湯らしくていい。水風呂も温泉を使用していて、こちらは小さな湯船だが、しゃきっとして気持ちがいい。交互につかると良いだろう。桧風呂は扉を隔てて独立した感じ。湯船の縁だけに桧を使用しており、浴室全体はタイル張りで殺風景な印象。温泉使用ではないため、この湯船につかる人は割合的に少ない。そのぶん静かに入浴できるのだが。ルーバーの窓越しに道向かいの民家を眺め、時おり気持ちのいい風が吹き込んでくる。植栽を置くなど、もうひと工夫あると雰囲気がぐっと良くなると思う。

横浜天然温泉くさつ(横浜市南区井土ヶ谷上町)もう一方の浴室(岩風呂のある方)では内湯にも温泉浴槽がある。そして岩風呂でも温泉を使用している。結局この2つの浴室のどちらが雰囲気が良いかといえば、別にどちらでも、というのが正直なところ。男女日替わりにするのであれば、明らかに異なる雰囲気であってほしかった。そんなことより、この銭湯の良さは泉質の良さに尽きる。真っ黒なお湯は感動ものだ。

横浜天然温泉くさつ(神奈川県浴場組合)
横浜天然温泉くさつ(横浜市浴場組合)

横浜天然温泉くさつ
源泉/横浜温泉(ナトリウム−炭酸水素塩泉)
住所/横浜市南区井土ヶ谷上町21-29 [地図]
電話/045-712-2617
交通/京急井土ヶ谷駅徒歩5分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     サウナは別途料金:平日250円、休日300円
時間/12:00〜23:00(土日祝日は10:00〜23:00)
     毎週月曜日定休(祝日の場合は営業)