3つの水族館とアトラクションで人気のレジャー施設といえば、八景島シーパラダイス。オープン15周年を機に「海はともだち」というキャッチコピーになったらしいけど、神奈川県民にとってはやっぱり「恋する遊び島」でおなじみ。デートや子供づれで訪れた人も多いことだろう。そんな八景島に渡る手前にあるのが、シーサイドスパ八景島だ。立地や名前で系列施設かと混同してしまうが、運営会社はまったくの別会社。とはいえシーパラ帰りのカップルなどが多数訪れるおしゃれ施設を想像していたのだが…。

シーサイドスパ八景島(横浜市金沢区柴町)ヨットハーバーに隣接する3階建の建物で、1階の浴室、2階のレストラン・大広間の休憩室は入館料で利用できるが、3階のリラクゼーションゾーンは館内着(別途200円)をレンタルした人のみ。個別テレビを備え付けたリクライニングシートや屋外デッキがある。駐車場が5時間まで無料なのは、3階利用者の長時間滞在を見込んだサービスだろう。だが、今回は館内着をレンタルしなかったので、1階と2階のみの紹介としたい。

シーサイドスパ八景島(横浜市金沢区柴町)フロントでは下足箱の鍵と引き換えに、ロッカーキーのリストバンドを受け取る。浴室は「八景」「文庫」と名付けられ、1週間おきに男湯と女湯が交替となる。訪れた日は男湯が文庫だったが、違いといえば湯船の配置。八景は露天風呂に湯船が集中しているのに対し、文庫はその反対。といったわけで文庫の浴室に入ると、まずは座湯ジャグジーとハイパワージェット、電気風呂がひとまとめになった湯船。この施設の目玉とも言える「海洋泉」の小判型の湯船。円形のミルキーバス。そしてテレビを備えたサウナと水風呂がある。スーパー銭湯のイメージで訪れると、まずまずの広さかなと思うが、その代わり岩風呂(海洋泉)と薬湯のみの露天風呂は、やたらとせせこましく感じる。

海洋泉は文字通り海水を使用した湯船で、入浴するとピリピリとした刺激とすべすべの肌ざわりが得られる。心なしか温まる気がするし、発汗作用も期待できるのではないだろうか。湯船のわきには「ナトリウム−塩化物強泉」などと紛らわしいことが書いてあるが、温泉ではない。あえて「海洋泉」とことわっているので、かつて流行した海洋深層水とは違うと思うし、目の前の海から直接汲み上げているわけではなかろう。いずれにせよこの立地を活かした泉質で、なかなか体験し得ない浴感だと思う。変り種では薬湯に使用している「宝寿湯」だろうか。11種類の生薬を配合した入浴剤で、赤茶色のお湯。いかにも効きそうなにおいが漂うが、スパ銭で宝寿湯とは渋すぎる。

露天風呂のスペースは高い塀で囲まれており、海が間近にあるというのにその雰囲気すら感じられない。海といえどもヨットハーバーに面しているためだろうか(フロントわきの喫煙所がいちばんいい景色)。訪れた日は風が強くて、吹き溜まりと化していた。それからもうひとつ書き留めておきたいのは、サウナのこと。水色のウレタンマットをお尻の下に敷くのだが、そのマットはサウナの入口に使用前・使用後が積み重ねてある。使用後のマットは誰が洗い流すのかというと、善意あるおじさん(笑)。

シーサイドスパというおしゃれな名前だが、館内はいたって普通のスパ銭の雰囲気。チェーン展開しているような店舗と比べると、ひと回り小さいし、値段のわりには設備に乏しいかも。そこを補うのが2階畳敷き大広間ないしは館内着利用での3階リクライニングゾーンなのかも。休憩室が食事処を兼ねている施設が多いが、のんびりと休憩のみの空間は貴重かも。シーパラでのデート帰りに立ち寄るも良し、暇なおじさんは1日ゴロゴロするも良し。そんな施設だ。

シーサイドスパ八景島
住所/横浜市金沢区柴町361 [地図]
電話/045-791-3575
交通/金沢シーサイドライン八景島駅より徒歩2分
     国道357号線「金沢柴町」交差点より約600m
     国道16号線「瀬戸神社前」交差点より約3.6km
     ※駐車場100台分あり(5時間まで無料)
料金/大人1,100円、小人550円(4歳以上小学生以下)、3歳以下無料
時間/10:00〜24:00、年中無休