若宮湯(横浜市南区通町)横浜市南区には現在銭湯が14軒あり、各店舗の所在地は浴場組合のホームページなどで確認することができる。だが南区の親切なところは独自に「湯遊MAPみなみ」を作成し、区役所にて無料配布していることだ。ネット上でダウンロードできるのも嬉しい。と言っておきながら今回横浜を訪れたときは銭湯マップを忘れてしまったのだが、若宮湯への道は至極簡単。地下鉄弘明寺駅から鎌倉街道(県道22号線)を蒔田方向歩いて3分ほど、通りに面しているので迷うことがない。創業80年を迎え、南区ではもっとも古い銭湯であるらしいが、現在は賃貸マンションの1階に店を構えている。コインランドリーを併設しており、LED看板や「わ」板(=沸いた)が目印。

フロント式で、料金は券売機にて支払う。町の銭湯にしてはロビーもゆったりとしており、湯あがりはソファやテレビで寛ぐことができる。フロントの奥には右手に女湯、左手に男湯の暖簾。脱衣所はL字型にロッカーを、そのほかベンチや自販機などを設けている。建替えによって近代的なビル銭湯になった若宮湯だが、その中でいちばんクラシカルなものといえば、昔ながらのごつい体重計だろう。

浴室は男湯の場合、左手に洗い場を、右手に湯船を配している。室内は奥に広いつくりであるため、1列に2つないし3つのカランがずらっと並ぶ。いずれも固定式シャワーつきで、ほかに立ちシャワーも1つだけある。湯船は温泉を使用したものと、そうでないものの2種類。温泉の湯船は1帖ちょっとの大きさ。絶えずお湯は注がれており、湯船内で循環されているようだ。透明度が5cmくらいの真っ黒のお湯で、さらさらの肌ざわり。ひとつ気になる点といえば、垢や髪の毛がかなり浮いていて、真っ黒のお湯だから余計に目立つこと。お湯の量がもっと多ければ、あふれた分が排出されて気持ちよくつかることができるのだが。そのせいか水風呂のほうが温泉の泉質を味わえるような気がするし、より黒が濃いように思う。

温泉を使用していない湯船では、電気風呂とジャグジーを設けている。光沢のあるタイルを使用しているため、ジャグジーの水流などでお湯がキラキラと反射して見える。お湯もぬるめなので、温泉や水風呂と交互に入ると気持ちがいい。浴室内の装飾は間仕切壁のモザイクタイル画のみ。イルカや深海魚など海の景色を描いたもの。その壁の上には動物のぬいぐるみがいくつか置いてある。

弘明寺の銭湯は、ほかに「中島館(→記事)」もあるし、日帰り温泉施設では「みうら湯→記事)」という強力なライバルも。サウナ料金込みの金額だといずれの施設も大差はなく、あとはいかにしてファンを増やすかという問題。まだ日が暮れる前に訪れたため、男性客は少なかったが、女湯からはおばちゃんたちの賑やかな話し声が聞こえてきた。若宮湯はもっと庶民的な風情を売りにしてもいいと思う。

若宮湯(神奈川県浴場組合)
若宮湯(横浜市浴場組合)

若宮湯
源泉/横浜温泉(ナトリウム−炭酸水素塩泉)
住所/横浜市南区通町4-82-1 [地図]
電話/045-731-1891
交通/横浜市営地下鉄弘明寺駅より徒歩3分
     京急線弘明寺駅より徒歩10分
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     サウナ別途200円
時間/14:30〜24:00、毎週水曜日定休