松の湯(川崎市高津区久末)松の湯がある川崎市高津区久末は、横浜市都筑区との市境に位置する。すぐ隣は一昨年に横浜市営地下鉄の開業によって駅が設置され、今後の発展が見込まれるであろう東山田町。きっと人の流れも変わっていくことだろう。しかし、いまのところは中原街道沿いに開けた郊外住宅地の雰囲気で、松の湯自体も駐車場を40台以上完備。車で訪れる客が多いのは、スーパー銭湯並みの設備を有していることも理由だろうか。中原街道を北に1.3kmほど走れば以前ご紹介した鈴の湯(→記事)もあるが、この2つの銭湯は個性がよく似ていると思う。

コミュニティ施設や福祉施設を思わせるような外観で、玄関先には緩いスロープもあってバリアフリー対策が講じられている。建物の規模も大きく、下足棚のスペースもゆったり。券売機でチケットを購入したらフロントへ。若いおねえさんが座っていて、年配の常連さんらと談笑中。パンキッシュな身形をしていて少々驚いたが。広いロビーには軽食コーナーもあって、町の庶民的な銭湯とは対極の雰囲気。

ネットで調べてみてわかったことだが、浴室は和風の「湯屋物語」と洋風の「アクアスパ」が男女日替わりになっているようだ。湯屋物語の方には岩風呂の露天風呂や檜風呂があるというから、僕が訪れたときは男湯がアクアスパだったようだ。脱衣所のロッカーは無料のものと100円返却式の2種類あり。ほかにテレビと自販機とベンチなど。夕方なので脱衣所はかなり混みあっていた。

浴室はコの字型にカランを、中央には大きな湯船を設けている。部分ごとに寝湯バイブラ、座湯ジャグジー、電気風呂と区切られていて、さらには「岩盤泉」というものも。これは壁や底に天然鉱石を埋め込んだタイルを使用することで、岩盤浴と同様の効果が期待できるとのこと。寝ながらお湯につかっていれば良いし、健康になった気分もするしで一石二鳥だ。いろいろと趣向を凝らした湯船の極めつけは、噴流器を備えた「流れる歩行浴」。おじさんがお湯の流れに逆らってぐるぐると歩いていた。そうかと思えばジェット噴流を腰にあててマッサージをしていたり。使い方はさまざまだ。浴室内にはほかにサウナと水風呂、ボディシャワーを備えている。清潔感ある明るい室内の装飾といえば、バリ島のようなリゾート地の海辺を描いたパネルのみ。

露天風呂には小さな炭酸泉の湯船と大きな備長炭の湯船がある。炭酸泉はぬるめで、その効果については何度か紹介しているので割愛したい。それよりも驚いたのは備長炭湯船の方で、塀の上からはすだれ状にお湯が流れ落ちている。そこを照らすライトがストロボのような働きをすることで、すだれ状のお湯が1粒1粒の水滴に見え、それが下から上へとのぼっているように見える。これは調べてみると「ウォーターパール」と言うらしく(YouTubeには熊本県の湧水トンネルの動画がアップされている)、凝りに凝った演出はまさに幻想的。いくら説明しても伝わらないと思うので、こればかりは百聞は一見にしかずとしか言いようがない。

松の湯(神奈川県浴場組合)
松の湯(川崎銭湯どっと混む)

松の湯
住所/川崎市高津区久末20 [地図
電話/044-777-6827
交通/横浜市営地下鉄グリーンライン東山田駅より徒歩20分
     JR南武線・東急東横線武蔵小杉駅よりバス「妙法寺下」停徒歩2分
     中原街道(県道45号線)の久末交差点の1つ南側の通りを東に200mほど
料金/大人450円、中人180円、小人80円
     ※サウナ別途250円
時間/平日14:00〜24:00、土曜日12:00〜24:00、日祭日9:00〜24:00
     毎週月曜日定休(祝日の場合は翌日)